2005年1月12日(水)17:44
ストラスブール(AP)
欧州議会は明確な賛成多数で初のEU憲法を批准した。水曜日に行なわれた票決では、賛成500、反対137、棄権40票で批准が可決された。これはおよそ74パーセントの賛成となる。EU憲法への支持は「この結果から疑問の余地がない」とジョゼプ・ボレル欧州議会議長は語った。票決結果は鳴り止まない拍手で議員から称えられた。
憲法の批准は当初から確実と見られていた。火曜日に行なわれた欧州議会の議論では、大半の党派が新憲法の批准に賛成の意向を示していた。加えて議員らはEU加盟国の政府に対して、憲法支持のキャンペーンを行い、確実に憲法条約の批准をはかるよう呼びかけていた。この呼びかけには現在EU議長を務めるルクセンブルクのジャンクロード・ユンカー首相も加わった。しかし一方でユンカー首相は「批准はどの国でも容易には済まないだろう」とも認めた。
ユンカーEU議長は、「もちろんこの憲法は完全なものではない。だが私たちは、欧州が何を必要としているかという点から憲法を評価せねばならない」と強調した。欧州委員会の副委員長でEUコミュニケーション戦略も担当するマルゴット・ヴァルストレーム委員は、「批准プロセスは今や決定的局面に入った」。各国の政府、議会、またEUの諸機構は冷静な議論が行なわれるようあらゆる手を尽くす必要がある。「私たちはどのような欧州を望むのか」という問題を議論する好機が生まれたのだ、と語った。
これまでのところ、リトアニアとハンガリーが議会の議決でEU憲法条約を批准している。少なくとも9ヶ国は批准を国民投票で行なう意向である。これには欧州統合に懐疑的なデンマークやイギリス、ならびにフランスも含まれる。最初の国民投票は2月20日にスペインで予定されている。もし憲法が一ヶ国でも批准されなかった場合、どのような事態になるのかは不明である。その場合はEU各国首脳がこの問題を取り扱わねばならないと憲法の附則で規定されているのみである。
新たな憲法条約は、拡大後の欧州連合の行動能力と民主性を高めるものである。憲法では閣僚理事会の票決において加盟国の人口規模にこれまで以上の比重が置かれる。EU外相職の創設も規定されている。また多数決決定の分野が拡大され、これによりEUの権力メカニズムの中で欧州議会の比重が高まる。
EU各国首脳は数ヶ月に及ぶ粘り強い交渉の末、2004年6月新たな憲法条約に合意した。10月にはローマで華やかに調印式が執り行われた。
原題:EU-Parlament ratifiziert Verfassung