2004年7月14日(水)16:13
パリ(AFP)
フランスは国民投票で初のEU憲法の批准をはかることになった。これはジャック・シラク大統領がフランス革命の祝日パリで唐突に発表したもの。国民投票は「来年の下半期に」行われる予定であると大統領は述べた。
「フランス国民に直接関わる問題なので、直接国民の意思を問う」とシラク大統領は決定の理由を説明した。私はフランス国民が欧州憲法を拒否しないものと信頼している。国民投票では国民とその子供たちの将来に関わる「重要な問題」が諮られる。私自身は賛成の選挙運動に関わるつもりだ、と大統領は語った。自ら「良い条文」と称えた欧州憲法について大統領は、憲法が重要なのは、拡大EUのみが平和と民主主義を保証することができるからである、と述べた。4月末に発表された世論調査では、「欧州憲法に賛成するか」との質問に対して、57パーセントの国民が「はい」と答えている。
シラク大統領は国民投票実施の決定で、長らく逡巡した末、ほぼすべての政党の代表の要求に従った形になる。シラク大統領の与党UMPのメンバーも国民投票を主張していた。
欧州憲法は6月中旬にブリュッセルで開かれたEU首脳会議で、数ヶ月に及ぶ綱引きの末、各国首脳の合意に至った。しかし発効のためには、加盟25ヶ国すべての国で批准される必要がある。
国民投票については、すでにイギリス、デンマーク、アイルランド、ルクセンブルクが実施を発表している。ベルギー、オランダ、スペイン、ポーランド、そしておそらくはエストニアでも国民投票にかけられるものと推測される。ドイツなど他の国々では議会に批准の権限がある。数ヶ国ではいまだ批准方法について決定されていない。
フランスでは1945年以来12回の国民投票が実施された。そのうち2回は否決している。1946年5月には憲法草案が否決された。1969年4月の地域圏改革に関する投票は、当時のシャルル・ドゴール大統領に対する一種の不信任投票となり、大統領は改革案の拒否を受け、ほどなく辞任した。
原題:Chirac kuendigt Referendum zur EU-Verfassung an