2008年7月16日(水)12:07

サルコジ大統領:「アイルランドは国民投票を再度実施せねばならない」

パリ(ドイツ通信社dpa)

アイルランドの国民投票によるEU改革リスボン条約の批准否決を受け、フランスのニコラ・サルコジ大統領はEU議長として初めて公に国民投票の再実施を求めた。「アイルランドはあらためて国民投票を行う必要があるだろう。」

この発言は日刊紙フィガロLe Figaroが報じたもので、火曜日エリゼ宮での与党国民運動連合(UMP)の議員との会合における発言という。ルモンド紙Le Mondeの報道によれば、サルコジ大統領は来週月曜日にダブリンを訪問し、再度の国民投票でアイルランド国民を賛成へと導くべく、重要な譲歩を提案する意向であるという。たとえば今後もすべての加盟国が欧州委員会に1名の委員を送ることができるという案である。

アイルランドは6月12日の国民投票で新たなEU条約となるリスボン条約の批准を否決した。リスボン条約はEUの意思決定のスピード化をはかり、欧州議会に一層の権限を認めることなどを定めている。7月21日のアイルランド訪問で、サルコジ大統領はアイルランドのブライアン・カウエン首相に再度の国民投票を実施するよう説得に努める意向である、とルモンド紙は伝えている。見返りに大統領は「いくつかの保証」を提案するという。たとえば欧州委員会の委員数を今後ともEU加盟国の数に合わせることである。リスボン条約では欧州委員の数はEU加盟国の3分の2に制限され、欧州委員会のスリム化が図られている。批准反対の選挙運動では、アイルランドが自国の委員をブリュッセルに送れなくなることが主な反対理由の1つになっていた。しかし委員の非選出はすべての加盟国に順番に回ってくるものである。

ルモンド紙によればさらにサルコジ大統領は、EUが加盟国の中絶法に介入せず、アイルランドの中立を侵さず、租税法に関する決定は今後とも全会一致で行うことをEU首脳会議で保証するという妥協案を考えているという。この提案は10月の首脳会議で協議され、12月の首脳会議で決定としてまとめられる可能性がある、とルモンド紙は伝えている。2度目の国民投票の実施期限は、2009年6月の欧州議会選挙の日となるという。

フランスは7月1日から6ヶ月の任期で輪番制のEU議長国を務めている。サルコジ大統領はフィガロ紙に、私はEU改革危機の解決を任期中の「最優先課題」にする。「(EU)諸機構の改革が行われない限り、私は一切のEU拡大に拒否権を発動する」と語った。これまでサルコジ大統領は、アイルランド国民を「無神経に刺激」してはならない、時間が必要なのだ、と述べていた。

原題:Sarkozy: Iren muessen zweites Mal abstimmen




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