2008年7月21日(月)21:15

サルコジ大統領:「アイルランドの再度のリスボン条約国民投票はない」

ダブリン(AP)

フランスのニコラ・サルコジ大統領は、EU改革リスボン条約批准の国民投票再実施をアイルランド国民に強いるつもりはないという。私は再度の国民投票を強いたことはない、とサルコジ大統領は訪問先のダブリンで語った。大統領の訪問はアイルランド国民の激しい抗議を受けた。数千人がEU議長を務めるサルコジ大統領に対して抗議のデモを行い、アイルランドの批准否決を受け入れようとしないとして大統領を非難した。サルコジ大統領は先週、リスボン条約批准の国民投票を再度実施するよう求めていた。

私は一度もそのような発言をしたことはない。アイルランド国民は自らの意見を表明し、決定しなくてはならない。しかし「私は国民投票に言及したことはない」、とサルコジ大統領はアイルランドのブライアン・カウエン首相との共同記者会見の席で述べた。

これより前、サルコジ大統領は事態の鎮静化に努めた。「耳を傾けることが最善の解決策を探るために欠かせない」。両首脳は密接に協力しながら危機の打開策を模索することで合意した、と大統領府はカウエン首相との会談を前に述べた。

サルコジ大統領がカウエン首相の首相府を訪問する際には、警察が数千人のデモ参加者を排除しなければならなかった。「サルコジ大統領はアイルランド国民の完全な軽視をはっきりと示した」と20歳の学生は首相府の前で語った。「私たちはリスボン条約の批准否決を尊重するよう求める」。「否決の理由の1つは、EU改革によって民主的コントロールが失われるという不安である」とパトリシア・マッキーナ前欧州議員は語った。

アイルランドは6月12日の国民投票において、53パーセントの反対でEU改革リスボン条約の批准を否決している。条約はEU加盟全27ヶ国の批准がなければ発効に至らない。サルコジ大統領はEU議長として今年末までに打開策を発表する意向である。大統領は先週パリで自党の議員を前に、アイルランドの国民投票はやり直さねばならないと発言している。数多くの他のEU加盟国も同じ希望を持っているとはいえ、公に伝わったサルコジ大統領の発言は、アイルランド政府が国民に対して国民投票再実施への理解を求めることをさらに難しくした。

原題:Sarkozy: Kein neues EU-Referendum in Irland




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