2005年6月4日(土)22:41
ベルリン(AP)
ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相とフランスのジャック・シラク大統領は、EU憲法批准国民投票の否決にもかかわらず、批准手続きを継続するよう主張した。「どの加盟国も自ら票決を行う権利と義務を持っている」。憲法を放棄することは許されない、とドイツ政府のベーラ・アンダ広報官はベルリンでの両首脳の会談を終えて語った。
シュレーダー首相もEU財政計画の交渉では譲歩の用意があると強調した、とアンダ広報官は述べた。首相はこれを近々開かれるブリュッセルの首脳会議でも表明する意向である。もはや「国家のエゴ」が幅を利かせることがあってはならない。首相の姿勢は「加盟国すべてが動かねばならない」ということを示すものだ、とアンダ広報官はEU財政におけるイギリスの拠出金割引問題に関する質問に答えた。
フランスとオランダは国民投票でEU憲法を反対多数で否決し、欧州連合の危機を引き起こした。アンダ広報官は「困難な問題があるからといって、欧州の理念を放棄することは許されない」。「理念に基づき問題を解決しなくてはならない」と述べた
シラク大統領のジェローム・ボナフォンJerome Bonnafont広報官も、欧州連合は困難な時期こそ一層結びつきを強めねばならない。この姿勢を6月16日、17日のブリュッセル首脳会議でもはっきりと示す必要がある。シラク大統領とシュレーダー首相は、欧州統合の努力は引き続き推進しなくてはならないとの見解で一致している、と語った。
原題:Schroeder und Chirac wollen EU-Verfassungsprozess fortsetzen