2005年6月18日(土)00:58

EU首脳会議は中期財政問題で決裂

ブリュッセル(AFP)

EUの危機を協議するブリュッセルEU首脳会議は、財政問題で意見の隔たりが埋まらず、決裂した。これは外交筋が夜遅くブリュッセルでジャンクロード・ユンカーEU議長の発言として伝えたもの。イギリス、オランダ、スウェーデン、スペインはユンカー議長の最後の妥協案を拒否したという。しかし新規加盟10ヶ国は首脳会議の決裂を受け容れようとはしていない。

ユンカー議長は首脳会議の決裂を23:30過ぎに確認した、と外交筋は伝えている。その後首脳会議出席者は今後の手続きについての協議に入ったという。イギリスのトニー・ブレア首相の広報官は、将来のEU財政に関するユンカー議長の最後の妥協案を前の案よりも「もっと悪くなった」と評した。今後農業政策の支出構造を点検するというイギリスの要求は妥協案で「さらに薄められた」と広報官は批判した。

新規加盟10ヶ国は、将来のEU予算計画の合意をはかるべく「改めて努力する」よう求めた、とこの晩議長国ルクセンブルクの周辺は伝えた。フランスのジャック・シラク大統領も新規加盟国を支持し、「私たちはみじめな状況にある」と語った。

危機に陥ったEU憲法問題では、首脳会議は昨晩熟考のための休止期間を置くことで合意している。これを受け、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、チェコ、ポルトガルは批准の延期を表明した。新聞報道によれば、アイルランドも国民投票を延期する意向であるという。一方エストニアは予定どおりこの秋に議会で批准を行う。

ルクセンブルクは、7月10日実施予定の国民投票を延期するか否かを議会が決定することになる。EU首脳会議はEU憲法の再交渉の可能性を否定した。「これに優る条約はない」とユンカー議長は語った。

原題:EU-Gipfel wegen Finanzstreit gescheitert




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