2005年6月19日(日)13:52
ハンブルク(ドイツ通信社)
欧州委員会のギュンター・フェアホイゲン副委員長はEU拡大をさらに慎重に行うよう主張した。「現在の約束以外にEU加盟の約束を与えてはならない」と副委員長は語った。
「欧州連合への正式加盟以外にも、欧州全体の政治的経済的安定を確保する方法は存在する」、とフェアホイゲン副委員長は『ビルト日曜版』Bild am Sonntag に語った。
「10月に開始されるトルコとの加盟交渉は、結果を約束せずに行われるだろう」。結果は「あるいは10年後に明らかになるかもしれない。加盟の決定はそれからだ」、とフェアホイゲン副委員長は語った。一方、ブルガリア、ルーマニアとの間で結ばれた加盟条約は「守られねばならない」と副委員長は明言した。「条約は両国の加盟準備が整っていない場合には加盟を延期するという規定を含んでいる。」
オーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は、ブリュッセルEU首脳会議の決裂を受けてEU内で加盟国同士が争うような事態が起きるのではないかとの懸念を表明した。「これが危ない。この危険を実際に視野に入れておく必要がある」とシュッセル首相はドイツ第一放送(ARD)の『ターゲステーメン(今日のテーマ)』Tagesthemenで警告した。
シュッセル首相はイギリスに対して、今年下半期の議長国としてEUの前進をはかるよう求めた。議長国は「自分の道を他の国々に強いてはならない」と首相は述べた。オーストリアは2006年上半期にイギリスから議長国を引き継ぐ。
シュッセル首相によれば、2007年から2013年の予算枠を協議したブリュッセルEU首脳会議の決裂はお金の問題だけではなかったという。EUの将来像の問題もある、と首相は述べた。「イギリスは異なるEUを望んでいる。彼らは一層市場経済に重心を置いたEUを目指しており、市場拡大を望む反面、欧州連合の深化は望んでいないのだ」。このようなモデルを希望する者は、「これまで私たちの利益になり、EU市民が望み、私たちを強くしてきたEUの社会経済モデルに本来別れを告げることになる」、とシュッセル首相は語った。
原題:Verheugen tritt bei EU-Erweiterung auf die Bremse