2005年6月20日(月)16:23
ベルリン(AP)
ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は、ゲルハルト・シュレーダー首相にもEU首脳会議決裂の責任があるとするキリスト教民主同盟・社会同盟の批判を退けた。外相は月曜日ベルリンで、シュレーダー首相は将来のEU予算枠をめぐる交渉で歩み寄る用意があった。だがドイツの首相が自ら小切手を切ってEUの問題を解決できる時代は終わったのだ、と述べた。
フィッシャー外相は「ドイツの経済状況と統一後の大きな課題を踏まえれば、財政上の余地は限られている」と語り、「かつてはドイツが財政支援して妥協を導いたが、今日ではもう不可能なのだ」と付け加えた。外相はキリスト教民主同盟・社会同盟の姿勢を「近視眼的」と評した。
フィッシャー外相は、中期予算交渉の決裂とフランス、オランダのEU憲法否決を受け、欧州統合を「一時休止」することに反対の意向を表明した。「EUには一休みする余裕などない。歴史は進むのだ」。しかし早期に臨時首脳会議を開催することについては、実際に合意の可能性がある場合に限り有意義と述べた。
緑の党所属のフィッシャー外相はEUの分裂に対しても警鐘を鳴らした。EUは「重大な危機」に陥っているが、これは好機でもある。だが欧州連合が単なる域内市場へと後退すれば、「遠心力は抑えられない」であろう。EUはあくまで連帯の欧州でなくてはならず、加盟国のエゴイズムは控えねばならない。グローバル化の世界にあっては分裂した欧州は弱体化するだろう、と外相は警告した。
フィッシャー外相は、首脳会議では2007年から2013年の予算計画の合意が本来可能だったと述べた。「私たちは取りまとめることができたのだ」。私はとりわけイギリスとオランダが柔軟性を示さなかったことを残念に思う。議長国ルクセンブルクはイギリスに大幅に歩み寄り、イギリスの拠出金割引の増額さえ提案したのだ、と伝えた。
オランダに対しても気前良い提案が行われたが、これはイギリスの非妥協的姿勢のためにドイツの拠出金増額につながる案であった、とフィッシャー外相は述べた。「だがドイツは一層豊かなオランダのために、実質負担国の立場をさらに苦しくすることはできなかった」と外相は説明した。
原題:Fischer verteidigt Schroeders Verhandlungsgeschick