2005年6月21日(火)17:21

ドヴィルパン仏首相とシュレーダー独首相はEU問題でブレア英首相と対立

パリ/ロンドン(AFP)

EU財政計画をめぐる論争はいよいよ激しさを増している。フランスのドミニク・ドヴィルパン首相は、EU首脳会議決裂の責任があるとしてイギリスを非難した。「イギリスはEU予算をめぐる一切の交渉を拒否した」とドヴィルパン首相はパリで語った。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、EUの社会モデルを「国家のエゴや大衆迎合的動機から破壊しようとする」意図に警鐘を鳴らした。イギリスのトニー・ブレア首相は、もしEU予算の過剰支出部門がなくなるならば、議論のあるイギリスの拠出金割引を無駄な「変則」Anomalieとして認める用意があると語った。

ブレア首相は農業政策に関する「妥協案」を一切拒否したが、この農業政策は2002年に「イギリスを含む全加盟国によって」決定されたものである、とドヴィルパン首相は述べた。農業政策はEUの「重要な柱」である。農家に対する予算は「現在および未来のための」支出である。これに対し、イギリスの拠出金割引は「過去の遺産」である、とドヴィルパン首相は強調した。先週末のブリュッセルEU首脳会議では、将来のEU予算計画に関する合意が得られなかった。

シュレーダー首相はEUが永続的な損害を蒙らぬよう警告した。EUは目下「深刻な危機」に陥っている、と首相はフランスとオランダのEU憲法否決、およびブレア首相のEU財政計画拒否を踏まえて語った。過去にEUは統合と共通市場により加盟国のナショナリズムを克服してきたのだ。「このモデルを国家のエゴイズムや大衆迎合的動機から破壊しようとする者は、後の世代の希望や権利に対する罪を犯すことになる」、とシュレーダー首相は述べた。

7月1日からの議長国任期中にイギリスは欧州連合の将来に関する議論を始めるつもりだ、とブレア首相はロンドンで語った。首相はこの発言で、とりわけフランスが恩恵を受けているEU農業補助金の改革をあらためて示唆した。

ポーランドは、予定されていたEU憲法国民投票を無期延期すると発表した。EU憲法を問う国民投票を実施することに変更はないが、「期日は分からない」。10月の国民投票は「非現実的」である、とポーランドのアレクサンデル・クファシニェフスキ大統領はワルシャワで語った。当初ポーランドは10月9日にEU憲法批准を問う国民投票の実施を予定していた。

原題:Villepin und Schroeder streiten mit Blair ueber EU




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