2006年6月6日(火)16:24
ラインスベルク(AFP)
ドイツのアンゲラ・メルケル首相(CDU)とフランスのジャック・シラク大統領はEU憲法に関する今後の決定手続きを申し合わせた。フランスとオランダの国民投票で否決されたEU憲法は2007年上半期のドイツの議長国任期中に「再び議事日程に組み込まれる」、とメルケル首相はブランデンブルク州のラインスベルクで開かれたドイツ・フランスの非公式首脳会談の席で述べた。
「良好に機能するEUのためには憲法条約が必要だ」とメルケル首相は述べた。シラク大統領も、ドイツはEU議長国として「可能な解決策を総合して」提案することになろうと補足し、その後2008年下半期の議長国フランスは「困難な問題の克服にあたる」と語った。
「私はドイツが議長国として再び列車を正しい方向に動かしてくれるものと信頼している」。その間フランス政府は、現行の諸条約の改定を行う前にEUの諸機構の機能の改善を図るとシラク大統領は述べた。
「EU諸機構の改善を図る以外に道はなかろう」。EUは現在の「頓挫」を克服する必要がある。さもなければEU拡大の影響により状況は「悪化する」、とシラク大統領は語った。メルケル首相も、諸機構を発展させない限りEUは新たな拡大の準備が整わないと指摘した。
メルケル首相はEU憲法をめぐる新たな協議の行方については言及を避けた。「熟考の期間は熟考の期間である」と述べるに留まった。メルケル首相もシラク大統領も、EUが諸機構を発展させなければ統合能力を高めることができないと指摘した。1年前のオランダとフランスの国民投票での否決にもかかわらず、「悲観論を振りまく」理由はない。欧州市民はこれまで何度も困難を乗り越えてきたのだから、とシラク大統領は述べた。
この数週間EUはサービス業のガイドラインや中期予算計画の決定によって、政治的に機能していることを証明した、とメルケル首相とシラク大統領は異口同音に語った。来週のEU首脳会議でドイツとフランスは「共同歩調を取る」とメルケル首相は発表した。EU首脳会議は6月15日に開かれる。
原題:Merkel und Chirac wollen Fahrplan fuer EU-Verfassung