2006年6月14日(水)17:19

EU憲法救済の努力が再始動

ベルリン/ブリュッセル(AP)

オランダとフランスのEU憲法批准否決から1年、憲法救済の努力が再始動した。ドイツのアンゲラ・メルケル首相とイタリアのロマーノ・プローディ新首相は水曜日ベルリンで会談を行い、2007年上半期のドイツのEU議長国任期中に共同で憲法批准プロセスを再活性化させる意志を表明した。ドイツ政府は木曜日と金曜日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議でこれに対する委託が行われるものと期待している。ドイツ政府は2007年6月に今後の批准に向けた「ロードマップ」を提案する意向である。

メルケル首相は、ドイツとイタリアは「私たちが憲法条約を必要とする」という認識で一致したと。「干葡萄をつまむこと」、つまり憲法の個々の部分を取り出すだけでは不十分である、と述べた。プローディ首相は、ドイツの議長国任期中に開かれる首脳会議は「EU建設の新たなスタートとなる」に違いないと強調した。

欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長は、ストラスブールの欧州議会で憲法条約に対する支持を表明した。「憲法条約がなければ、私たちは欧州連合に期待するものすべてを実現させることはできない。」

2005年夏のフランス、オランダの国民投票によるEU憲法批准否決の後に設けられた「熟考の時期」はドイツの議長国任期の2007年6月に終わることになる。ドイツ政府筋は、EU首脳会議では憲法批准プロセスの再活性化に向け、ごく「一般的な」委託しか行われないと予測しているものの、「私たちは書面による委託を必要とする」と強調した。

フランスとオランダが2007年上半期にそれぞれ大統領選挙と議会選挙を実施するため、具体的な計画策定の時間は少ないと考えられている。ドイツ政府内では、半年間の議長国任期の満了までに、いつ何を行うかを定めた「ロードマップ」を提案できれば十分意欲的とする声が上がっている。この批准プロセスはさらになお数年かかるだろう。たとえドイツの議長国任期が成功裡に終わっても、すべての問題を解決できるわけではない、と政府筋は伝えている。その場合EU憲法条約は、新たな欧州議員が選出され、新欧州委員会が発足する2009年までには遅くとも発効する必要がある。

ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は、「憲法」という名称を削除する可能性にも言及した。EU議長を務めるオーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は水曜日ウィーンで、「解決に向けての具体的な議論と模索の段階はオーストリア議長国任期中に始まり、継続されることになる。上手く行けばこの新たなプロセスは2008年の下半期のフランス議長国任期中に完了することになる」と語った。

バローゾ委員長は、仏蘭両国の国民投票否決を受けて様々な筋から予測された危機は結局訪れなかったと述べた。明確なのは、拡大EUが現行のニース条約では長期にわたって機能することはできないということだ。したがってブルガリアとルーマニアの加盟後は、憲法なしの拡大は考えられない、と委員長は語った。首脳会議では拡大の問題も議論されることになる。とりわけEUの受け容れ能力を新規加盟の際の基準にするかという点が問題となる。

EU各国首脳はまた金曜日にスロヴェニアのユーロ加盟についても決定を行なう意向である。各国の財務相はすでに、スロヴェニアが新規加盟10ヶ国の先陣を切ってユーロ導入のすべての基準を満たしたと表明している。スロヴェニアは来年1月1日に13ヶ国目のユーロ圏加盟国となる予定である。

原題:Bemuehungen um Rettung EU-Verfassung laufen wieder an




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