2006年6月20日(火)14:49
ベルリン/ブリュッセル(AP)
ドイツとフィンランドは、停滞しているEU憲法批准プロセスに今後数ヶ月間共同で新たな刺激を与える意向である。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は火曜日ベルリンでフィンランドのタルヤ・ハロネン大統領との会談を終え、凍結されているEU憲法条約の救済のためには、「EUがグローバル化の世界で市民に一層の安全と経済力をもたらす」ことを欧州市民にいかに伝えるかが鍵となると述べた。
フィンランドは7月1日にオーストリアからEU議長職を引き継ぐ。2007年1月1日にはドイツがフィンランドの後を継ぐ。ハロネン大統領は、フィンランド、ドイツ両国は議長として一体となる必要がある。これは憲法批准プロセスだけでなく、EU拡大にとっても重要なことである、と語った。一方EU議長任期を終えるオーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は、憲法の実質的な変更に反対した。「付録はありうる。またいくつかの章に関する注釈もあるかもしれない。しかしそれは憲法条約の実質を変更するものであってはならない」とシュッセル首相はブリュッセルの欧州議会で述べた。
EUは先週の首脳会議で憲法救済のタイムスケジュールに合意した。この計画によれば、ドイツは議長任期の2007年上半期に今後の手順に関する提案を策定する。その後フランスが議長を務める2008年末までに、どのようにして憲法条約を救済するかを決めることになる。EU憲法はすでにドイツを含む15ヶ国で批准されている。一方フランスとオランダは2005年春の国民投票で条約批准を否決している。憲法条約の発効には加盟全25ヶ国の批准が必要となる。
ドイツとフィンランドはEUの経済的成功に関心を持っている。しかしEUは「市民のEU」という側面も欠かせない、とメルケル首相は語った。首相はフィンランドの議長任期に学問と研究への一層の集中を期待すると述べた。フィンランドがこの分野で卓越した成果を挙げていることは有名だとメルケル首相は語った。
メルケル首相とハロネン大統領によれば、両国はロシアとEUの良好な関係が欠かせないという見解でも一致しているという。これは戦略的パートナーシップの一部である。ロシアとの関係は一方で信頼構築が必須である、と両首脳は述べた。他方、両首脳はロシアのウラジミール・プーチン大統領に「私たちの意見を率直に」伝えることにも努めると表明した。
原題:Deutschland und Finnland wollen Impulse fuer EU-Verfassung