2007年6月13日(水)19:36
ベルリン(AP)
オーストリアのアルフレート・グーゼンバウアー首相は、ポーランドをEU憲法問題で妥協に導く可能性は薄いとの見解を表明した。ワルシャワ訪問を終えたグーゼンバウアー首相は、「カチンスキ兄弟の率いるポーランドの指導部は、改革を再び軌道に乗せるという手柄をドイツに立てさせたくないという印象を受けた」と述べた。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、レフ・カチンスキ大統領を日曜日にメーゼベルク宮に迎え、EU憲法問題について協議する予定である。
メルケル首相はEU議長任期の締めくくりとなるブリュッセルEU首脳会議で、欧州憲法に修正を加え、これを再軌道に乗せたい意向であるが、ポーランドは最も強硬な批判国の一つである。ごく最近までポーランドの大統領またはその双子の兄弟であるヤロスワフ・カチンスキ首相がメルケル首相との会談に応じるか否かは不明であった。
グーゼンバウアー首相は南ドイツ新聞Sueddeutsche Zeitung(木曜版)で、ポーランドでEU憲法を再生するには、ドイツ政府がEU議長を退いた後の方が容易になるとの推測を語った。社会民主党所属のグーゼンバウアー首相は、ポーランドでは国民の65パーセントがEU憲法の批准を支持しているにもかかわらず、政府が頑なに拒んでいるのは馬鹿げている、と述べた。私はポーランドの指導部に、憲法で定めたEU改革を遅延することは致命的な結果をもたらすおそれがあると伝えた。同時にポーランド政府に対して、2008年に憲法条約とEU財政均衡問題を同時に交渉することを避けるよう警告した、とグーゼンバウアー首相は語った。
メルケル首相は(明日)木曜日にEU首脳会議についての政府声明を発表する。ウルリッヒ・ヴィルヘルム政府広報官は、首脳会議前にメルケル首相は数多くの協議を行なう意向であると強調した。メルケル首相は週末メーゼブルク宮の政府迎賓館でカチンスキ大統領のほか、オランダのヤン・ピーター・バルケネンデ首相、チェコのミレク・トポラーネク首相、ならびにスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ首相と会談を行なう予定である。ヴィルヘルム広報官によれば、メルケル首相は日曜日の午後、締めくくりにルクセンブルクに向かい、憲法支持国と反対国の妥協の可能性についてジャンクロード・ユンケル首相と協議するという。
メルケル首相は、EU憲法の2009年欧州議会までの発効を目指し、今回の首脳会議でタイムスケジュールと憲法条文の修正の基本線に関する合意を得たい考えである。ポーランドは時間的プレッシャーを拒否し、意思決定方式の変更を求める要求が容れられなければ、場合によっては拒否権を行使すると威嚇している。フランスのニコラ・サルコジ大統領は(明日)木曜日にワルシャワに向かい、EU憲法簡略版への支持を求める予定である。ヴィルヘルム広報官は、加盟全27ヶ国はEU首脳会議の成功に建設的に協力する意向を伝えてきていると強調した。
原題:Gusenbauer schaetzt Polens Widerstand als hartnaeckig ein