2007年6月14日(木)13:35
AFP
ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟)は来週ブリュッセルで開かれるEU首脳会議を前に、今後のEU憲法批准プロセスのロードマップで合意を図るよう強く訴えた。「私たちにはチャンスがある。それ以上でもそれ以下でもない」と首相は連邦議会の政府声明で述べ、一方で難しい問題が残っていることを認めた。他のすべての政党も演説の中で欧州憲法プロセスの継続に支持を表明した。またいくつかの野党は、必要とあらばドイツは他の国々とともに先行統合を進めるべきであると主張した。
「2009年の欧州議会選挙を控え、EUには行動可能な体制が必要だ」。それゆえ当初合意された憲法条約の実質を新たな修正条約に取り込むことが求められる、とメルケル首相は述べた。EU憲法は2005年にフランスとオランダの国民投票批准否決を受けて差し当たり凍結された。メルケル首相は、「EU超国家」が生まれるのではないかという多くの欧州市民の懸念に配慮して、修正条約では一切の「国家に類似する象徴や名称」を放棄する必要があると述べた。「私たちは欧州市民に過大な負担を強いることなく、憲法の実質を維持したいと考える」と首相は語った。
EU憲法修正案に対して、現在はとりわけポーランドが強い抵抗を示している。ポーランド政府は、EU諸機構の改革を一から抜本的に交渉し直すよう求めている。メルケル首相は土曜日にベルリン郊外のメーゼベルク宮でポーランドのレフ・カチンスキ大統領と会談し、あらためて歩み寄りを求める考えである。また他のEU加盟国の首脳とも今後数日内に協議を行なう予定である。
ドイツ自由民主党(FDP)のギード・ヴェスターヴェレ党首は、EUの諸機構に対する欧州議会の監督権の強化を主張した。しかし、もし今後の憲法批准プロセスの合意が「数ヶ国の反対で決裂したならば、ドイツは同じ考えを持つ他のEU諸国とともに統合の深化を決断すべきである」とヴェスターヴェレ党首は主張した。この問題に関し、キリスト教民主同盟・社会同盟のフォルカー・カウダー議員団長は、「私たちはポーランドが分別を取り戻すよう望んでいる」と述べた。
社会民主党(SPD)の外交担当、ハンスウルリッヒ・クローゼ議員はメルケル首相に対して、「私は首相がEUの行動能力拡大に向け、道筋をつけられるよう願っている」。しかしこれは「とても困難である」、と述べた。左派党のオスカー・ラフォンテーヌ議員団長は、EUは民主性と社会的水準を高めるべきであると求めた。
原題:Merkel dringt auf Fahrplan fuer EU-Verfassungsprozess