2007年6月17日(日)18:55
ベルリン(AP)
EU憲法案の行方をめぐる論争で、ポーランドと並びチェコも根本的批判の姿勢を崩していない。チェコのミレク・トポラーネク首相は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とベルリン郊外のメーゼベルク宮で会談を行なった後、私は憲法案で定められたEUの決定方式に対するポーランド政府の批判に同調する。「票配分の再算定に関するポーランドの貢献を支持する」、と発言した。
ポーランドとチェコはこの姿勢により、どのEU憲法批判国よりも強硬な立場を取ることになる。オランダ、フランス、イギリスも「憲法」という語を受け入れず、条約条文に関して広範な修正を求めているものの、ここで規定された決定方式については中心的改革規定として疑問視していない。
しかしトポラーネク首相はポーランド政府と異なり、木曜日と金曜日に開かれるEU首脳会議ではこの問題だけで拒否権を発動する意向はないと、メルケル首相との会談を終えて言明した。チェコが拒否権を行使するのは「二つのケース」に限られるとトポラーネク首相は述べた。すなわち「憲法条約の基本的考えに立ち戻ろうとする」場合、あるいは個々の国々が自国に有利に交渉をまとめようとする場合であるという。
トポラーネク首相は、欧州基本権憲章を憲法から除外する代わりに、同憲章が法的拘束力を持つと条約で言及するという考えには同意すると述べた。そうなれば2000年末の段階で調印された欧州基本権憲章は、もはやEU条約には盛り込まれないものの、ついに法的効力を持つことになる、と首相は語った。
さらにトポラーネク首相は、欧州委員会の法案に対する「レッドカード」を加盟国議会に認めるというオランダの提案を支持した。オランダ政府の考えは、3分の1以上の加盟国の議会が欧州委員会の法案に反対したならば、欧州委員会は法案を撤回しなくてはならないというものである。議長国ドイツはこの考えを新たな封鎖の可能性を導くものとして拒否しているが、何らかの形で加盟国議会の役割を強化することには反対していない。
原題:Tschechien unterstuetzt polnische Kritik an EU-Verfassung