2007年6月25日(月)16:01

二つの速度のEUが表面化

ベルリン(AP)

長時間の交渉の末、ようやくEU改革の妥協案に漕ぎつけたブリュッセル首脳会議を受け、ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相は、欧州が二つの統合速度のEUへと向かっているとの見解を表明した。これは袋小路からの脱出として論理的必然である。自国が可愛い加盟国は繰り返しEUを袋小路に追いやっている、とユンケル首相は月曜日に語った。首相は交渉を長時間阻止したポーランドを厳しく批判した。ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は、ポーランド政府の歩み寄りを受けてドイツ・ポーランドの二国関係が改善されるとの期待を表明した。

ユンケル首相はドイツラジオDeutschlandfunkで、アンゲラ・メルケル首相がEU議長としてポーランドのレフ・カチンスキ大統領と交渉している際に、大統領の兄のヤロスワフ・カチンスキ首相がワルシャワで親指を上げ下げして賛否を指示するという状況はずうずうしいと述べた。メルケル首相が「天使のような忍耐」を発揮しなければ、首脳会議は決裂していただろうと、ユンケル首相は指摘した。

ユンケル首相は、票決規定に関するポーランドとの妥協について、今後数年間のEUの行動能力を大きく妨げる要素にはならないとの見解を示した。2014年まではニース条約の票配分で切り抜けられる、と首相は述べた。しかし個別に加盟国から要求があれば従来の票決制度は2017年まで適用されることになる。「長期的にはこれはEUの停滞を招く恐れがある」が、そこまでは延長されない、とユンケル首相は語った。首相はEU首脳会議における妥協成立の立役者であった。

ユンケル首相は、イギリスに対して認められた、内務・司法分野の協力および国際犯罪の撲滅に関する例外規定について、先行統合が「ゆっくりと、しかし確実に欧州連合に定着していく」実例であると述べた。「私たちが手にするこの新しい条約では、EUはあまり高く飛ぶことも、あまり遠くまで飛ぶこともできないだろう。」

一方シュタインマイヤー外相はEUが強化されたとの見解を示し、ポーランドと粘り強く協議する旨を表明した。「これで私たちはまたドイツ・ポーランドの二国関係の強化を図れる」と外相はドイツ第一放送(ARD)の番組モルゲンマガツィーンで語った。外相は、首脳会議では感情むき出しの議論が行なわれたことを認めた。しかしいくつか「癇にさわる」発言があったものの誰も挑発に応じなかった、と外相は語った。

社会民主党(SPD)もEU首脳会議におけるポーランドとイギリスの合意阻止戦略を批判した。ドイツ連邦議会のヴォルフガング・ティールゼ議長はベルリンで、私は両国に対して一層の欧州の共通意識を求めたい。EUは協力せざるを得ないのだ。それゆえ加盟国がすべてそれぞれの拒否権をちらつかせるなどということは許されない、と議長は語った。

緑の党のダーニエル・コーンベンディート欧州議員はインフォラジオ rbbで、首脳会議では「少数派の専横」が目立った。「私がこの条約全体で最も良いと思うのは、初めてEUの脱退条項が設けられたという点だ」、と語った。

欧州委員会は、2014年の票決規定の改正前にも新たなEU拡大が可能との見解を表明した。現行のニース条約に基づく、本来27ヶ国に限定される票配分を、応分に新規加盟国に適用することは十分に可能だ、と欧州委員会のヨハネス・ライテンベルガー広報官はブリュッセルで語った。トルコが2014年以前に加盟を果たした場合についても、広報官は適用の可能性をきっぱりとは否定しなかった。

原題:Europa der zwei Geschwindigkeiten zeichnet sich ab




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