2008年6月11日(水)17:19
ヘルシンキ/タリン(AFP)
フィンランドとエストニアの議会は圧倒的多数の賛成でリスボンEU改革条約の批准を承認した。フィンランドでは賛成151名、反対27名、エストニアでは101名中91名が賛成した。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は票決結果を歓迎する声明を発表した。この日の晩、ギリシャの議会もリスボン条約を批准する予定である。アイルランドでは全土での国民投票を翌日に控えて、7つの島で一足早く投票が行われた。
今後フィンランドは3ヶ月以内にタルヤ・ハロネン大統領が署名し、最終的に批准が完了する。エストニアでは2週間以内にトーマス・ヘンドリク・イルヴェス大統領が最終的な批准を決定することになる。
バローゾ委員長はフィンランドとエストニアの票決結果を歓迎した。票決はリスボン条約の承認とその2009年1月1日の発効を期待する「強いシグナル」である、と委員長は語った。リスボン条約は27ヶ国に拡大したEUの行動能力を保つものである。
木曜日のアイルランドの国民投票の行方は大きな注目を集めている。3年前のフランスとオランダのEU憲法否決を受け、27ヶ国のほとんどは、長い交渉の末に合意に至ったリスボン条約の批准を議会に委ねることを決定している。しかしアイルランドのみは憲法で国民投票の実施が定められている。アイルランドは2001年の国民投票でニース条約を否決しており、1年後の再度の国民投票でようやく批准を果たした。今回アイルランドで賛成が反対を上回るかは予断を許さない。世論調査によれば辛うじて賛成多数となる見込みである。リスボン条約の発効には加盟全27ヶ国の批准が必要となる。
デンマーク政府は、同国のEU内例外規定を問う国民投票の実施期日を決定すると発表した。デンマークはEU加盟国であるが、1992年には国民投票でユーロの導入を否決している。
原題:Parlamente in Finnland und Estland stimmen fuer EU-Vertrag
*訳注:フィンランドとエストニアの批准が完了すれば、実質的に批准を終えた国は18ヶ国となる。