2008年6月13日(金)18:46
ダブリン/ブリュッセル(AP)
フランスの国民投票によるEU憲法の否決から2年後*、仕切り直しとなる包括的なEU改革リスボン条約も廃案寸前に追い込まれた。金曜日に発表されたアイルランドの国民投票の最終開票結果によれば、批准反対は53,4パーセントにのぼった。リスボン条約はEUの行動能力と民主性を高めるものである。ドイツ政府と欧州委員会は、残る国々で批准手続きを進め、改革条約を救済するよう主張した。しかしチェコではこれに反対の動きがある。
「私たちは他の国々が国内の批准手続きを進めるよう望む」とドイツのアンゲラ・メルケル首相はフランスのニコラ・サルコジ大統領との共同声明で述べた。ドイツとフランスはすでに批准を終えている。
欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はブリュッセルで、「私は条約はまだ生きていると考えている。私たちは解決策を見出す必要がある」と語った。バローゾ委員長も批准を済ませていない残りの8ヶ国における批准手続きの継続を求めた。
しかしチェコ政府はこの呼びかけに反対する意向を示唆した。「私たちはアイルランドの反対を過去のフランスやオランダの否決と同様に真剣に受け留める」とミレク・トポラーネク首相はプラハで語った。フランスとオランダは2005年に欧州憲法案を否決しており、これにより欧州憲法はほどなく葬り去られた。トポラーネク首相はリスボン条約を必要不可欠とは考えていないことを表明した。「EUは堅実な条約基盤を備えており、機能している」と首相は述べた。
しかしEU加盟国の過半数は現行のニース条約を不十分と考えている。フランスのジャンピエール・ジュイェEU担当政務次官は、リスボン条約を他の26ヶ国で批准発効させ、アイルランドには一種の特別協定を提供することを打開策として提案した。「どのような法的協定がアイルランドとの間で結ぶことができるのかを検討する」必要がある、と同政務次官は語った。
ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、「EUはこの条約を発効させる道を見出すだろう」と述べた。スペインのマリア・テレーザ・フェルナンデス・デ・ラ・ヴェガ副首相は、スペインはアイルランドの否決にかかわらず、改革条約を予定どおり批准する予定であると述べた。イギリスのゴードン・ブラウン首相もすでに木曜日に同様の発言を行っている。
イタリアのジョルジョ・ナポリターノ大統領は、「EU総人口の1パーセントにも満たない国の半数に満たない有権者による決定が、不可欠のEU改革プロセスを阻止できるなどという事態は、私たちにはとても考えられない」と語った。
報道によれば、アイルランドの305万有権者のうち、木曜日の批准投票で投票権を行使したのは45パーセントに過ぎないという。最後の瞬間まで条約批准を訴えたアイルランド政府は失望を表明した。ブライアン・カウエン首相は自らの投票の際、私は有権者を説得すべくできる限りのことを行った。一方反対派は不安を煽り立てただけであった、と語った。
アイルランドがニース条約の時のように国民投票をやり直す可能性は疑わしい。欧州議会社会民主党(SPE)議員団のマルティーン・シュルツ団長は金曜日、「『賛成と言うまで投票を行う』という時期は過ぎた」と発言した。
原題:Iren lehnen EU-Reformvertrag ab Siebte
*訳注:原文には「2年後」とあるが、「3年後」の誤りである。