2008年6月18日(水)15:42

EU議長:「首脳会議では危機打開策のタイムスケジュールを提示」

ストラスブール/ブリュッセル(AFP)

アイルランドのEU改革リスボン条約の否決を受け、明日のEU首脳会議では危機打開策の「タイムスケジュール」が決定されることになるという。これはEU議長国を務めるスロヴェニアのヤネス・レナルチッチEU担当政務次官がストラスブールで議長国を代表して伝えたもの。EU外交筋によれば、EU各国首脳はアイルランドに3ヶ月の猶予を与え、その間に解決案の提案を求めるという。それを受け10月15日と16日のブリュッセル首脳会議で決定を行う。欧州議会ではほとんどの会派の議員がリスボン条約の批准を続行するよう求めた。

スロヴェニアのレナルチッチEU担当政務次官はさらに欧州議会で、リスボン条約の批准はあまり長いこと延期してはならない。そのためには「アイルランドと共同で」打開策を見出す必要がある、と訴えた。ブリュッセルのEU専門家アントニオ・ミッシロリは、リスボン条約に説明を付し、アイルランドの防衛政策に関する中立を保証するなど、アイルランドの懸念に答えることが打開につながる可能性があるとの見解を表明した。その後2009年6月の欧州議会選挙までにアイルランドに国民投票のやり直しを求めれば良いという。

保守系の欧州国民党(EVP)のジョゼフ・ドール議員団長(フランス)は、アイルランドの否決が他の国の条約批准を妨げることがあってはならないと強調した。

演壇に立った欧州議員は口々に、条約に関する嘘を伝えアイルランド国民を欺いたと反対運動の主導者を批判した。彼らはビラで改革条約は安楽死や中絶を許可したり、売春婦を国内に呼び込むなどと主張していた、とアイルランド保守党のエイヴリル・ドイル議員は非難した。「条約のどこにそんなことが書いてあるのか、教えてほしい」とドイル議員は議論の際、「アイルランドの投票を尊重せよ」と書かれた緑のTシャツを着たEU統合懐疑派に向かって呼びかけた。

アイルランドでは「右派と左派による欺瞞キャンペーン」が行われた、とキリスト教民主同盟(CDU)所属のエルマー・ブローク欧州議員も訴えた。これでEUを崩壊させようというのだ。欧州の「平和と繁栄を目指す最も成果のあるプロジェクト」をご破算にしようというのだ。これをEU加盟国は許してはならない、とブローク議員は主張した。

原題:EU-Vorsitz: Gipfel soll Zeitplan fuer Weg aus Krise vorlegen




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