2000年6月28日(水)18:15
リスボン(ロイター)
欧州連合のロマーノ・プローディ委員長は、欧州連合(EU)の個々の国々が一層密接な協力を進めるというフランスのシラク大統領の提案を基本的に歓迎する意向を示した。プローディ委員長は水曜日リスボンで新聞記者に対して、欧州委員会はシラク大統領が前日ベルリンで提唱した「パイオニア諸国」間の密接な協力を調整するための事務局の設置も、欧州委員会の機構組織を脅かすものとは考えていない、と述べた。
シラク大統領は、フランスとドイツのようなとりわけ統合の用意のある国々には経済、防衛および犯罪撲滅の分野で一層密接な協力を進める可能性が開かれねばならない、と提起した。「これはアムステルダムで定められたEU条約に基づく欧州委員会の任務を制限する結果にはならない、ブリュッセルの欧州委員会の課題はむしろこれから増えるであろう」とプローディ委員長は述べた。
1999年5月1日から発効したアムステルダム条約は、既存のEU諸機構の権限を侵さない限りにおいて、個々の国々の一層密接な協力を特定の政治分野に限って認めている。もちろんどのEU加盟国も望ましくない密接な協力には拒否権を行使することができる。すでにこれまでさまざまの国からこの拒否権の削除が提案されている。
原題:Prodi begruesst Chirac-Vorschlaege zur EU-Reform