2000年6月29日(木)21:56

ブレア首相がシュレーダー首相とベルリンで会談

英首相はシラク大統領の演説に問題を認めず

ベルリン(AP)

 イギリスのトニー・ブレア首相は木曜日の夜ベルリンでドイツ連邦首相ゲルハルト・シュレーダーとの会談に臨んだ。この会見を提案した側のブレア首相は、連邦議会におけるフランスのシラク大統領の演説がイギリス政府の間に苛立ちを引き起こしたのではないかという推測を否定した。

 ブレア首相は、ヨーロッパ政策の原則に関するシラク大統領の演説には「まったく問題はない」、「EUの拡大が協力関係を強化する手段(先行統合)と結びつけられるのは、きわめて正当なことである」と語った。その基盤となるのは、シラク大統領の提唱する、個々の国家がアイデンティティーを失わずに進める協力(統合)である、と述べた。シラク大統領は今週初めに、ヨーロッパの統合にあたって先導的役割を担うドイツとフランスを中心とする「先駆グループ」の形成を唱えた。

 ブレア首相はイギリスのユーロ参加を進めるという自らの立場を繰り返した。しかし、そのためには経済的条件が整わねばならない、とも付け加え、イギリスがユーロ圏の外部で経済活動を行う限り、EU内での協力のありかたはユーロ圏に属す場合と異なる、と述べた。

 シュレーダー首相は、イギリスはEUとあらゆるレベルにおいて密接に協力ができるという自信を持つべきである、と述べ、ブレア首相がシュレーダー首相の首相就任以前にオーストリアで行った指針演説でヨーロッパの安全保障政策を前進させたことに言及した。これに加えて、ブレア首相が欧州共同体(EC)の共同の安全保障・外交政策に「決定的な刺激を与えた」と評価した。

 ブレア首相はこれまで二度にわたってドイツ側の招待を断ってきた。6月初めのベルリンでの首脳会談は息子の誕生を理由に欠席した。

原題:Blair trifft Schroeder in Berlin
Premierminister sieht keine Probleme mit der Rede Chiracs