2002年3月6日(水)20:34
ゾフィー・ルエ
ストラスブール(ロイター)
フランスのジャック・シラク大統領はEU改革をめぐる議論において、ヨーロッパ合衆国の構想に反対を表明した。欧州連合(EU)の加盟国が今後とも自らの問題に自ら責任を持つべきである、とシラク大統領は水曜日ストラスブールの選挙演説会で主張した。
「私は、超大国Super-Staatとなったり、その諸機構をヨーロッパ合衆国Vereinigte Staaten von Europaへと改編するようなヨーロッパは認めない」とシラク大統領は所属する保守のRPRの選挙演説会で述べた。同大統領は4月21日の大統領選で再選を目指している。5月5日には決選投票が予定されており、最大のライバルである社会党のリヨネル・ジョスパン首相との一騎打ちになると予測されている。
シラク大統領は欧州憲法に賛成する意向を表明した。欧州憲法は各種の条約文を簡素化し、加盟国と欧州連合の関係においてどこが何を決めるのかを明確に規定することになろう。「一言で言えば、憲法は欧州のアイデンティティーの表明となろう」、と語った。
シラク大統領は、今後数年間の軍備計画と外交政策に関してEUが共同の声明を行うよう提案し、軍需産業を後押しした。「共同のプロジェクトに基づき、強力で組織的な軍需産業を形成する時期が来ている。欧州の軍需産業は、アメリカの軍需産業と同じ目の高さで交渉するために、相応の野心とメカニズムを備えるべきである」とシラク大統領は主張した。
最新の世論調査ではシラク大統領を僅かリードしているジョスパン首相は、いまだ選挙戦でEUに関して詳しい発言を行っていない。しかし、シラク同様ジョスパンも国民国家の連邦Foederation der Nationalstaaten の考えを支持している。
先週の木曜日、最初のEU改革会議の代表105名が任務を開始した。各国議会、各国政府および欧州委員会から選出された代表はEU内の将来の権限分割について協議する予定である。改革会議のヴァレリー・ジスカールデスタン議長はヨーロッパの憲法条約を会議の目標に掲げている。
原題:Frankreichs Praesident Chirac gegen Vereinigte Staaten von Europa