2002年3月21日(木)15:16

EU将来像会議が初の作業会合

バルニエ欧州委員:「われわれには失敗が許されない」

ブリュッセル(AP)

これまでで最も包括的な欧州連合の改革を準備するEU将来像会議が、木曜日ブリュッセルで初の作業会合に召集された。105名の代表で構成されるこの会議の二日間の協議日程には、欧州の将来像に関する一般的な意見交換が組まれている。欧州委員会を代表して将来像会議に参加するミシェル・バルニエ欧州委員は、「われわれには失敗が許されない」と警告し、この会議は「欧州が従来とは異なる手法で自らを改革する必要がある」ことを立証せねばならない、と主張した。

EU改革が各国議会および欧州議会の参加のもとに進められるのは、今回が初めてであり、これらの議会は将来像会議に代表を送っている。従来はいわゆる政府間協議で改革が準備されてきた。将来像会議は来年半ばまでに改革の草案を提出し、最大で12ヶ国に及ぶ新規加盟国の受け容れ態勢を整える予定である。その後、会議の提案は政府間協議に委ねられ、2003年末の採択を目指して各国首脳の討議にかけられる予定である。

2月28日の設立会合では、ヴァレリー・ジスカールデスタン議長が将来像会議の三つの段階を手短に述べた。それによれば、最初の段階では市民との対話が行われる。その際、将来像会議はとりわけ若者および加盟候補国の市民との対話に力を入れる意向である。これを受けて第二の段階ではEU改革のコンセンサスを得る。最後の段階で「ヨーロッパの憲法条約」の草案がまとめられる、としている。

原題:EU-Konvent zu erster Arbeitssitzung zusammengekommen
EU-Kommissar Barnier: "Wir duerfen nicht scheitern"

〔訳注〕:
今後はEU-Konvent(Konvent zur Zukunft von Europa=「ヨーロッパの将来像に関する会議」)の一般的な訳語を従来の「改革会議」から「将来像会議」に改める。ただし、Reformkonvent (改革会議)、Verfassungskonvent(憲法会議)のように言い換えられている場合は、それに対応した訳語を充てる場合がある。
EU-Konventの訳語については、「諮問会議」(日本経済新聞、朝日新聞)、「(将来像)協議会」(讀賣新聞、東京新聞、共同通信)などとまちまちであるが、フランス革命やアメリカ建国期、あるいは戦後西ドイツの「憲法制定会議」と同じ「会議」Konventであるので、敢えて「会議」の訳語を用いることにする。