2004年3月24日(水)17:03
ブリュッセル(AFP)
欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長は、EU憲法をめぐる議論が正しい方向に進んでいることは認めたものの、木曜日にブリュッセルで開かれる首脳会議で事態の打開が図れるとは考えていない。ここ数週間いくつかの加盟国政府から「肯定的なシグナル」があった。だがおそらくこの首脳会議で打開が得られると期待するのは早すぎる、とプローディ委員長はブリュッセルで語った。
「私たちがこの首脳会議に期待しているのは、むしろ決定ではなくタイムスケジュールだ」と委員長は述べ、12月に決裂した憲法交渉をなるべく今年の上半期中に完了させるよう促した。スペインの政権交代後、議長国アイルランドがタイムスケジュールを立てるには、おそらくなお数週間必要であろう、と委員長は予測した。
一方でプローディ委員長は、議長国アイルランドが「半完成品」を提案し、これを下半期の議長国オランダが完成させるという可能性も排除しなかった。依然最大の障害となっているのは閣僚理事会の多数決制の改革である、と委員長は述べた。委員長は、妥協を模索する過程で、欧州将来像会議の提案した多数決の境界値を大きく変更することのないよう警告した。
このパーセンテージは、どの程度EUが決定を行えるかという本来的な問題に関わるのだ。もし特定多数決のハードルをあまりに高く設定すると、小さなグループがどんな提案も阻止できることになり、EUは決定が行えなくなってしまう。これはテロとの戦いを始め、他の政治分野についても当てはまる、とプローディ委員長は警告した。憲法草案では多数決決定には加盟国の過半数とEU人口の60パーセントの賛成が必要とされている。目下、この加盟国ならびに人口の境界値を引き上げる妥協案が議論されている。
原題:Prodi erwartet von EU-Gipfel keinen Durchbruch