2004年3月25日(木)18:43

EU首脳会議:EU憲法論争の早期合意を期待

ブリュッセル(AP)

EU憲法論争の合意に対する新たな期待を込めて、木曜日の晩、春季EU首脳会議がブリュッセルで開幕した。二日間にわたる首脳会議の直前、ポーランドのヴロジミエシュ・チモシェヴィッチ外相は初めて二重多数決制に基づく妥協の可能性を否定しないと言明した。会場に到着した数ヶ国のEU各国首脳は、アイルランドのEU議長任期終了までに解決が得られるとの期待を表明した。

オーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は、6月13日の欧州議会選挙までに合意を得るよう強く主張するつもりだと述べた。ベルギーのギー・フェルホフスタット首相は、合意を見出したいという共通の意思が存在すると語った。「期日を決めることができれば、もうそれで充分だ。」フェルホフスタット首相も、ベネルクス三ヶ国と新規加盟国のハンガリー、ポーランド、チェコ、スロヴァキアとの準備会談を終えた後、憲法交渉を「できるだけ欧州議会選挙前に」完了させるとの期待を表明した。

チモシェヴィッチ外相は、7ヶ国の会談後初めて「我々は二重多数決に基づく妥協案を排除しない」と強調し、しかし問題は規定の詳細であると語った。ポーランドとスペインの拒絶姿勢により、12月のEU首脳会議での欧州憲法協議は決裂し、合意に至らなかった。両国は、閣僚理事会の票決で両国に人口比以上の票配分を認めたニース条約の規定に固執していた。

ドイツとフランスの求めている二重多数決制は、加盟国の50パーセントとEU人口の60パーセントで決定に至るという内容である。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は火曜日のワルシャワ訪問で、二重多数決制は揺るがないと言明したばかりである。スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ次期首相が現政権の路線からの転換を表明して以来、ポーランドは柔軟な姿勢を見せている。しかし今回の首脳会議では、いまだ任期中のホセ・マリア・アスナール首相が出席している。

ベネルクス三ヶ国とヴィシェグラード連合(=ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロヴァキア。訳注)は欧州委員会の規模をめぐる論争でも、拡大後「数年間は」加盟25ヶ国すべてからそれぞれ1名の欧州委員を選出するとの意見で合意した。欧州委員会の縮小は長期的観点から、「平等および加盟国の輪番制という条件で」行われねばならない、とフェルホフスタット首相は主張した。

テロに対処すべく、EU各国首脳は情報交換の緊密化ならびに安全調整委員の新設を決定する意向である。オランダの外交筋によれば、オランダの内務副大臣を務めたへイス・デフリースが初代の安全調整委員に就任する見込みであるという。またEU憲法草案で規定された連帯条項が前倒しで発効することになるという。これによりEU加盟国は、EUの一ヶ国に対してテロ攻撃が行われた場合、軍事手段も含めて相互に支援することを義務付けられる。スウェーデンのイェーラン・パーション首相は、「私たちはもう声明は必要ない。実行に移す時期が来ているのだ」と述べた。

原題:Baldige Einigung in EU-Verfassungsstreit erwartet




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