2007年3月26日(月)16:25

ドイツ政府はEU憲法の実質を維持する意向

ベルリン(AP)

EU議長国ドイツは今後のEU憲法交渉で憲法の実質を維持する構えである。外務省のギュンター・グローザーEU担当政務次官は月曜日ベルリンで、すべてのEU加盟国が2004年にローマで憲法草案に調印していることを指摘し、そこから義務が生じると述べた。EU創立50周年記念の首脳会議で採択されたベルリン宣言では、EUは2009年の欧州議会選挙までに改革を行なうと発表している。

「私たちはどこかで政権交代が起きたからといって、そのたびに草案を保留扱いにはできないのだ」とグローザー政務次官は述べ、ベルリン宣言によって憲法交渉への追い風が吹くのではないかという期待を表明した。アンゲラ・メルケル首相は日曜日、6月のドイツのEU議長任期満了までに、内容的な路線転換を含む今後の手順を定めたロードマップを提示すると発表した。2009年の欧州議会選挙までに憲法条約を成立させねばならない、と首相は述べた。

グローザー政務次官は、議長国ドイツには解決に向けた道ならしという大きな期待がかけられている。しかし一方で議長国ドイツも他の26ヶ国に対して、歩み寄りの姿勢を示すよう、大きな期待を寄せている。憲法批判論者は、自分の要求がすべて満たされない限り承認しないという立場に引きこもってはならない、と語った。

ドイツ政府はベルリン首脳会議を完全な成功と評価した。「ベルリン首脳会議はできる限りのことを成し遂げた」。首脳会議は欧州人の自意識を固め、今後数週間のうちにEU憲法問題で成果を得るという決意を示すことができた、とウルリヒ・ヴィルヘルム政府広報官は語った。

「私は雰囲気が悪くなったとは見なかった」とヴィルヘルム広報官はニ三の首脳会議出席者の批判的発言について述べた。チェコのヴァーツラフ・クラウス大統領は日曜日に調印されたベルリン宣言の成立について、「民主的な論争、民主的な議論に欠けていた」と厳しく批判している。ポーランドもEU憲法に関する従来の計画に対し、懐疑的な姿勢を示した。

自由民主党(FDP)のグイード・ヴェスターヴェレ党首はドイツラジオDeutschlandfunkで、いくつかの国が欧州憲法の道をともに歩もうとしないのならば、「EUの重要性を理解している他の国々が先に進むということもありうる」。その場合「異なる速度のEU」はもはや避けられない、と語った。ヴェスターヴェレ党首も、憲法条約はすでに18ヶ国で批准されているため、その実質をできる限り保持すべきであると勧告した。

緑の党は、ローマ条約調印50周年記念の首脳会議が終わっても、今後のEUの行方が不透明のままであると批判した。「私たちはEU諸機構の再編成を定めた具体的な、内容豊かなロードマップが必要だ」とユルゲン・トリッティーン副議員団長は注文をつけた。緑の党のダーニエル・コーンベンディート欧州議員はドイツラジオで、「ドイツ政府の秘密外交戦略」を批判した。

原題:Bundesregierung will Substanz der EU-Verfassung erhalten




トップへ戻る