2009年3月25日(水)14:46
AFP
チェコの不信任案可決による政権崩壊はEU改革リスボン条約の批准を「複雑化する」恐れがある。これはチェコのアレクサンデル・ヴォンドラEU担当相がストラスブールの欧州議会で認めたもの。上院の批准は「容易ではない」だろうとヴォンドラ大臣は語った。これより前、ミレク・トポラーネク首相は、私は条約批准に向けて全力を傾けると約束した。
トポラーネク首相は、火曜の晩の不信任案提出により政権を崩壊に導いた左派野党にこの状況の責任があると非難した。ボールは今社会民主党陣営にある。電話は社会民主党のジリ・パロウベク党首のオフィスにあるのだ、とトポラーネク首相は改革条約の行方を尋ねる複数の欧州議員の質問に答えた。
欧州議会のハンスゲルト・ペッテリング議長はチェコの上院に対して、リスボン条約の批准継続を呼びかけた。欧州議会憲法委員会のヨー・ライネン委員長は、チェコの政権危機でEUが「人質に取られる」ようなことがあってはならない。条約批准は進めねばならない、と語った。ライネン委員長は、政権危機が続くようであればフランスとスウェーデンが一時的に代理でEU議長を務め、欧州連合の政治的「空白」を回避すべき、との考えをストラスブールで表明した。
フランスとスウェーデンはチェコとともにいわゆるトロイカを形成する。フランスはチェコの前任としてEU議長国を務めた。スウェーデンは7月1日にチェコから議長を引き継ぐ。ライネン委員長によれば、もしチェコが加盟27ヶ国中唯一リスボン条約の批准を行わなければ、EUは場合によってはチェコに対する財政支援の停止も検討する可能性があるという。
チェコは下院でリスボン条約批准が承認されたが、まだ上院での採決が行われていない。広報官によれば上院の採決は四月の下半期になるという。
原題:Krise in Prag verkompliziert Ratifizierung des EU-Vertrags