2001年5月9日(水)18:33

フランスの外相はシュレーダー首相のEU改革案を批判

ベルリン(ロイター)

フランスのユベール・ヴェドリヌ外相は、欧州議会と欧州委員会を強化する代わりにEU閣僚理事会の権限を制限するというドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)の提案に反対する意向を表明した。水曜日ベルリンのドイツ連邦議会のEU委員会においてヴェドリヌ外相は、これまでうまく機能してきた閣僚理事会、欧州委員会および欧州議会の権力均衡を乱すことは危険である。むしろすべての欧州連合の機構を強化する必要がある。一つもしくは二つの要素を強化するならば、必ずやEU加盟国の間で妨害を招くことになろう。それゆえフランスはこの点に関してシュレーダー首相の提案するEU改革に関する社会民主党の改革案を支持できない、と主張した。

シュレーダー首相は、秋の社会民主党党大会用の基調提案の中で具体的な欧州連合(EU)の改革を提案した。同首相は欧州委員会を「欧州の行政府」に改編し、欧州議会に完全な予算権を与えてその権限強化をはかり、これまで強い権限を持っていたEU閣僚理事会をドイツの連邦参議院と類似の第二院に改編することを主張している。首相の提案は、数ヶ国のEU加盟国からは控えめな反応を得、また一部では拒絶にあった。

ヴェドリヌ外相は、閣僚理事会を第二院の役割にとどめることに断固反対する意向を表明した。むしろ閣僚理事会を強化し、近代化しなくてはならない、と外相は述べたが、内容を具体的に説明するには至らなかった。さらに外相は政府間協力を一層強化することを主張し、それゆえ検討中の権限分割の問題ではかならずしもすべての政策が必然的にすべての加盟国に関わらないよう配慮することが必要である、と語った。

原題:Frankreichs Aussenminister kritisiert Schroeders EU-Vorschlag