2002年5月29日(水)16:56
コットブス(AP)
ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、東方拡大後に欧州委員会を縮小するようあらためて主張した。「拡大後に27名の委員を抱える欧州委員会が機能できるかどうか、私は疑念を抱いている」。拡大後の欧州連合には決定を下すことのできる強い執行権が必要である、とシュレーダー首相は水曜日、ブランデンブルク州のコットブスにおけるポーランドのレシェク・ミレル首相とのフォーラムの席で語った。
「問題は、欧州が世界政治において強い役割を演じられるように、どうしたら統一欧州の政治的統率性を保てるかという点である」。これは欧州の憲法会議(将来像会議=訳注)で議論してもらう必要がある、とシュレーダー首相は述べた。首相は、拡大後の欧州では議会と国民国家の権利が強化されることになると強調した。
一方、ブランデンブルク州のマンフレート・シュトルペ州首相は、EU東方拡大を踏まえ、EUの国境地域プログラムを国家助成で補完するよう求めた。社会民主党所属の同州首相は、東ドイツの構造援助を廃止してはならない。新連邦州(旧東ドイツ=訳注)は東方拡大後の援助や助成に関し、相応の西欧地域と較べて待遇が劣ることがあってはならない、と主張した。
シュトルペ州首相の見解では、国境地域がEU拡大の恩恵を比率以上に受けるならば、停滞している東西ドイツ間の回復プロセスに新たな刺激がもたらされるという。「したがって東ドイツとポーランド西部の国境地域への投資は、われわれ両国の将来への投資にほかならない」と州首相は述べた。
東欧諸国が加盟すれば、EU諸国の平均国内総生産は13%低下すると予想されている。これにより新連邦州は、経済的状況に何ら変化はないにもかかわらず、基準とされる一人当たり国内総生産の限度額を越えるため、これまでの「第一目標援助地域」という地位を失うことになる。
原題:Schroeder schlaegt Verkleinerung der EU-Kommission vor