2005年5月9日(月)13:12
カッセル(AP)
ドイツの平和運動家の見解では、政治家は国民に対しEU憲法の広報活動を怠っているという。月曜日カッセルで発表された声明によれば、平和運動はEUの発展を支持するものの、政治家の楽観論には同意しない。最大のスキャンダルは、ドイツ政府と各政党がEU憲法の内容に関する本当の情報提供をこれまで組織的に拒み、代わりに国民を「美辞麗句でなだめてきた」ことであるという。
ドイツ政府の広報活動は、もっぱら「基本権憲章」に光を当て、EU憲法の「輝かしい部分」を強調することにより、憲法を美化している。しかしドイツの基本法や他のほとんどのEU加盟国の憲法は、同様の基本権や人権に関する規定を含むため、この面でことさら新たな憲法は必要ではない。「つまりここで進歩として称賛されているのは、すでに大昔から法典化された権利なのである」、と平和運動家は声明を出した。
さらにドイツ政府の広報活動は、加盟国が国民投票や批准機関の特定多数決でEU憲法を否決した場合、EUの統一が危うくなるなどと主張しているが、こうした説明は偽りである。実際は憲法が否決された場合はこれまで定められたすべてのEU条約が引き続き効力を保つだけのことである。さらなる統合の歩みは欧州理事会の合意という通常の道筋でいつでも可能である、と声明文は批判した。
最後に、連邦政府の広報活動は、EU憲法がEUの軍事化を定めた大きな部分を含んでいることについて、頑なに口を閉ざしている。「しかし外交安全保障条約の規定はEU条約体系において真に新しい内容であるため、連邦政府はまさにこの点について情報提供を行わねばならない理由があるのだ」、と平和運動は批判している。
「とりわけ憤慨に堪えない」のは、ドイツの有力政党がEU憲法国民投票の許可を拒んだことである。欧州統合の考えが国民に十分浸透していないと国中至るところで指摘される今こそ、「憲法条約に関する公の議論を開始するのが望ましかったのだ」。だがこの機会をみすみす逸してしまった。
「アタックと平和運動は国内でEU憲法反対の活動を緩めるつもりはない」と声明は述べている。EU憲法は木曜日ベルリンの連邦議会で批准が決定される予定であるが、平和協議連邦委員会Bundesausschuss Friedensratschlagは、「予想される連邦議会の99パーセントの賛成も決して国民の意見を代弁するものではないこと」を示すために、その前夜に全国で反対活動を行うよう呼び掛けた。
原題:Friedensbewegung kritisiert mangelnde Aufklaerung ueber EU-Verfassung