2005年5月11日(水)20:18
ウィーン/ブラティスラヴァ(AP)
オーストリアとスロヴァキアがEUの基本権となるEU憲法を批准したことにより、加盟全25ヶ国中8ヶ国でハードルが越えられた。ドイツでは連邦議会が(明日)木曜日に、連邦参議院が5月27日に批准の採決を行う。5月29日にフランスで行われる国民投票の行方にはとりわけ注目が集まっている。
水曜日にオーストリア議会で行われた批准採決では、オーストリア自由党(FPOe)のバルバラ・ローゼンクランツ議員のみが反対票を投じた。ヴォルフガング・シュッセル首相はEU憲法を「拡大EUに対するバランスのとれた解決策」と評し、憲法は一層強い欧州を築くと述べた。採決前の議論では与党オーストリア国民党(OeVP)のヴィルヘルム・モルテラー議員団長が、欧州というテーマの議論において「視野の狭さ」が認められると批判した。EUは第二次世界大戦および冷戦による欧州分断に対する回答であったが、今はグローバル化時代の人々の不安に対する答えを示すものだ、と同議員団長は演説した。社会民主党のアルフレート・グーゼンバウアー党首は、EU全体で憲法批准を問う国民投票を実施できなかったのは誤りであったと述べた。
スロヴァキア議会でもオーストリア同様、EU憲法に対する広範な支持が得られた。116名の議員が賛成し、反対は27名、棄権は4名であった。エドアルト・クカン外相は、憲法は「必要不可欠な良い文書」になっていると述べた。またスロヴァキアの首相は批准は「スロヴァキアの利益と欧州の利益にかなう」と語った。
これによりEU憲法は、ギリシャ、イタリア、リトアニア、オーストリア、ハンガリー、スロヴァキア、スロヴェニア、スペインの8ヶ国で批准を完了したことになる。
原題:Oesterreich und die Slowakei ratifizieren die EU-Verfassung