2006年5月10日(水)18:21
ブリュッセル(AP)
欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長は、共通のEU憲法プロジェクトを2008年に再開するよう提案した。これまで25ヶ国中16ヶ国*にしか批准されていない憲法を、フランスとオランダの批准否決を受けて完全に放棄することは許されない、とバローゾ委員長は述べた。2008年には中期EU予算の再検討も控えているが、批准プロセス再開の良い時期となろうと委員長は語った。
その1年前にはローマ条約締結50周年に関する政治的声明を発表し、EU諸機構の改革に着手する必要がある、とバローゾ委員長は提案した。欧州連合の将来の構成に関する最初の決定は来月のEU首脳会議で行われるという。バローゾ委員長は、先行統合に関する現行の諸条約を犯罪撲滅や移民のような中心的政治分野で活用することを首脳会議で検討するよう提案した。委員長が憲法論議を延期するよう提案した主な理由は来年のフランスの議会および大統領選挙であるという憶測を、バローゾ委員長は否定した。
原題:Barroso schlaegt neue Verfassungsdiskussion fuer 2008 vor
*訳注:原文には「16ヶ国」とあるが、9日に批准したエストニアを含めて、批准完了は15ヶ国である。