2006年5月28日(日)15:36

EUは2009年までのEU憲法発効を目指す

ウィーン(AP)

EUは機構上の危機の克服に向けて、現在凍結されているEU憲法を遅くとも2009年までに発効させる意向である。この目標はこの週末2日間にわたって開かれたEU外相会合で決まったもの。「憲法プロジェクトはEUプロジェクトとして継続される」と現在EU議長を務めるオーストリアのウルズラ・プラスニク外相は、ウィーン郊外のクロスターノイブルク修道院で開かれた外相会合の閉幕にあたり発表した。

ドイツのフランツヴァルター・シュタインマイヤー外相も、「憲法を諦めるどんな理由もない」と強調した。およそ1年前のフランスとオランダの国民投票否決後の「熟考の期間」は2007年半ばまで延長されることになった。公式の声明は6月15日と16日のブリュッセル首脳会議で発表される予定である。2007年1月1日にEU議長国を引き継ぐドイツは、来年6月までに憲法再生の声明を準備する予定である。

シュタインマイヤー外相は、ドイツ政府は「EU内での今後の憲法の扱いをどうするか、来年半ばに実行可能な提案を行う」つもりだと述べた。目標はその2年後の憲法条約の発効である。外相は「私の時間的展望は2009年ごろである」と述べた。プラスニク外相も「私たちは皆、遅くとも2009年には私たちの法的基盤を明確に決める必要があるという認識を持っている」と強調した。この年には欧州議会選挙が行われ、新たな欧州委員会も発足する。

フランスとオランダは1年前の国民投票でEU憲法批准を否決している。これを受けてEU各国は「熟考の期間」を設けた。これは来月6月で期限が切れる。具体的な提案はまだ浮かんでいないものの、プラスニク外相は「また議論に勢い」が戻ってきたと強調した。

「熟考の期間」を無期限に延長するよう要求した外相は27ヶ国中1人もいなかったとプラスニク外相は述べた。協議に参加したジョゼ・マニュエル・バローゾ欧州委員長も、EU憲法支持を表明した。「私たちはこのテーマの命脈を保つ必要がある」。しかし「何をすべきかという点ではまだ完全な合意はない」。

シュタインマイヤー外相は、名称は「結局のところ決定的な問題ではない」と述べて、条約の名称は変更可能であるとあらためて指摘した。外相は土曜日の外相会合の席で、「憲法条約の政治的実質を保持することが必須なのだ」。その際私にとっては「憲法」という言葉は重要ではない。一方バローゾ委員長は、憲法として批准手続きを進める意向であると述べた。「しかしもっと良い名前が見つかれば、それはそれで良い。」

EU憲法はすでにドイツを含む15ヶ国によって批准されている。フィンランドは今年下半期に議会の議決により批准を行う意向である。憲法条約の発効には、まもなく27ヶ国になろうとする全加盟国の批准が必要となる。国民投票はイギリス、デンマーク、アイルランドで予定されている。しかし投票日はまだ決まっていない。

シュタインマイヤー外相は、平和や安定ならびに繁栄や連帯というEUのこれまでの成果に言及し、今後は一層の自信を持って取り組むよう求めた。外相は、グローバル化の課題を克服するためには、EUのみが有効な機構であるということを欧州市民に伝える必要がある。「これは今後私たちがもっと明確に主張すべき事柄であると考える」、と語った。

原題:EU will Verfassung bis 2009 umsetzen




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