2007年5月23日(水)17:05

オランダ首相は憲法の性格を帯びないEU条約を要求

ストラスブール(AP)

オランダのヤン・ピーター・バルケネンデ首相はEU憲法に対する抵抗姿勢をあらためて表明した。EUは憲法の性格を帯びない、単なる新条約を決定すべきであり、EU外相職の創設も放棄すべきである、とバルケネンデ首相は水曜日ストラスブールの欧州議会で要求した。憲法や外相という名称は多くの欧州市民に、EUが一種の超大国に発展するのではないかという危惧を引き起こしている、と首相は述べた。

ほかならぬこうした懸念により、オランダ国民は2年前に憲法の批准に反対票を投じたのである。「国民はコントロールする力を失い、自らのアイデンティティの放棄を余儀なくされるのではないかという感情を抱いたのだ」、とバルケネンデ首相は語った。

こうした背景を踏まえてバルケネンデ首相は、EU憲法案が国民国家の主権の更なるEU委譲を定めていることにも批判的な見解を述べた。確かにEU加盟国は環境変動や国際テロ、エネルギー政策や移民政策で一層の協力が必要であるが、「一方で私たちはいくつかの加盟国が拒否権の放棄に不安を感じていることも認識しなくてはならない」と首相は語った。

EU憲法は加盟27ヶ国の個々の国が拒否権を発動してEUを停滞させぬよう、EUレベルの決定に多数決制を拡大することを定めている。

原題:Balkenende fordert will EU-Vertrag ohne Verfassungscharakter




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