2009年5月12日(火)16:48
AFP
EU改革リスボン条約をめぐる綱引きは終わらない。チェコの上院議員のグループはプラハで欧州統合懐疑派のヴァーツラフ・クラウス大統領との協議を行い、新たな違憲訴訟を起こすと発表した。訴えは7月中旬までに提出するという。訴えを行うのは保守系の市民民主党(ODS)所属の17名の上院議員である。
チェコの憲法裁判所は昨年11月末、リスボン条約に対する違憲訴訟を退けている。審理ではEUへの国家権限の委譲などが問題となった。ODSのジリ・オーベルファルツァー上院議員は、今度は裁判所に条約全体を審理してもらうと述べた。上院は先週リスボン条約批准を賛成多数で承認したばかりである。
チェコのヤン・フィシェル新首相は就任訪問先のブリュッセルで、すみやかに条約に署名し、批准手続きを完了するようクラウス大統領に呼びかけた。チェコは6月末までEU議長国を務めており、リスボン条約批准を終えていない4ヶ国のうちの1つである。条約はEUの行動能力を高めるもので、その発効には加盟全27ヶ国の批准が必要とされる。ドイツもまだ憲法裁判所の判断が出ていない。
原題:Tschechische Senatoren klagen erneut gegen EU-Vertrag