2000年5月26日(金)14:02

イタリアのディーニ外相がフィッシャーのヨーロッパ構想を支持

パリ(ロイター)

 イタリアの外務大臣ラムベルト・ディーニは、ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相が提案したような、ヨーロッパの一層の政治的統合に関するガイドラインを速やかに検討するようEUに求めた。金曜日フランスの『ル・モンド』紙においてディーニ外相は、ベルリンの講演でフィッシャーが提唱したヨーロッパ連邦に関する構想を支持すると述べた。「フィッシャー外相はその提案によって将来のヨーロッパの形態に関するEU内部の議論を活性化させた。」フィッシャーが「個人的見解」とことわったヨーロッパ連邦の構想については、とりわけイギリス、およびフランスの内務大臣ジャン・ピエール・シュヴァーヌマンが懐疑的態度をとっている。

 ディーニは、「EUの機構改革に関する内部の議論と平行して、ヨーロッパの将来の構成に関する規則がそろそろ定められるべき時期に来ている」と述べた。「イタリアでは政治的な欧州連合という目標は右派からも左派からも支持されている。イタリアはすでに現在の時点でも欧州委員会をヨーロッパ政府と見なしている。」

 フィッシャー外相(緑の党)は去る12日にベルリンのフンボルト大学における講演で「最初は、特に積極的な国々から成る連邦的中核ヨーロッパを考えても良い」と述べた。さらに、国家連合からヨーロッパ連邦に移行するというヨーロッパの憲法制度改革を提案した。

 この見解については英国とフランスで疑念の声が上がった。フランスのシュヴァーヌマン内務相は、「フィッシャー外相の構想は、ドイツが相変わらずナチズムの誤りから治っておらず、自国の政体を他国に押しつけようとしていることを示すものだ。指導的なドイツの政治家がヨーロッパ連邦を国民国家の上位に置こうとするならば、独仏関係に悪影響が及ぶと考える」と語った。

原題:Italiens Dini unterstuetzt Fischers Europa-Vision