2001年11月23日(金)21:04
ナント(ロイター)
ドイツとフランスは金曜日、欧州憲法を支持する姿勢を明らかにした。南ブルターニュのナントにおける独仏首脳会談で発表された共同声明では、これは欧州統合プロセスの不可欠のステップであると述べられている。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相はフランスのジャック・シラク大統領およびリヨネル・ジョスパン首相との首脳会談を終えて、憲法を制定する政治的枠組みが定められた。ドイツは将来、EUの根本的な改革案を策定するEU憲法制定会議の議長候補者が話題になった場合は、ヴァレリー・ジスカール・デスタン元大統領(75歳)を議長に推すつもりである、と述べた。
これに加えて独仏共同声明では、欧州連合(EU)の拡大を計画通りに推進し、全12ヶ国の候補国のうち最大で10ヶ国の2004年のEU加盟を求めている。9月11日のアメリカのテロ事件後、拡大プロセスの遅延を懸念する声が上がっていた。
ドイツとフランス両政府の指導層は、すでに過去にEU憲法を支持する旨を表明している。欧州統合のエンジンと目される両国の共同声明は、憲法制定計画に新たな推進力を付与すると思われる。EUは12月中旬のベルギーのラーケンにおける首脳会議で憲法制定会議の議長を決定する意向である。ジスカール・デスタン元大統領は「フィナンシャル・タイムズ・ドイチュラント」紙(金曜版)で、議長職就任の心構えができていると述べている。
シラク大統領はナントにおいて、1974年から1981年までフランス大統領を務めたジスカール・デスタンについて、議長候補として長所しか考えられないと述べた。しかしこれまでEU外交筋の間では、オランダのヴィム・コック首相が有力な候補者と考えられてきた。2002年の初めに仕事を開始する憲法制定会議は、EUの諸構造を拡大に対応させるべく、おそらく1年以内にEUの根本的改革の提案を行うものと見られている。
フランスの政府筋によれば、共同声明は独仏両政府がEUの将来をめぐる両国間の争いを沈静化したことをあらためて明確に示すものであるという。両国間には1年前のニースのEU首脳会議において欧州連合内の影響力をめぐって激しい争いが繰り広げられた。その後両国政府は、意見の相違を定期的な会合によって解消しようと努めている。
原題:Schroeder und Chirac fuer europaeische Verfassung