2002年11月8日(金)21:38
パリ/ブリュッセル(AP)
EU将来像会議のヴァレリー・ジスカールデスタン議長はトルコの欧州連合加盟に強硬な反対意見を表明した。「トルコはヨーロッパの国ではない」。ヨーロッパの外へのEU拡大は原則的な問題を引き起こす、と元フランス大統領は『ル・モンド』紙に述べた。「私の意見を述べるならば、これは欧州連合の終焉を意味する」。欧州委員会は金曜日ブリュッセルにおいてこの見解に反論した。
トルコの反応は控え目である。一週間前の議会選挙で勝利を収めた、イスラム保守系の正義進歩党(AKP)のエルドガンRecep Tayyip Erdogan 党首は、トルコは引き続きヨーロッパ路線をとると強調した。トルコ外務省は声明を出し、ジスカールデスタン議長は個人的な意見を述べたに過ぎない。トルコはあらゆる抵抗に屈することなく今後ともEU正式加盟を目指す、と表明した。
トルコはEU加盟候補国の扱いを受けている。ジスカールデスタン議長は、EUをトルコに拡大しようと声高に主張するものは欧州連合の敵である。その背後には、ヨーロッパと中東にまたがる一種の自由貿易圏に発展させることにより、欧州連合の統合を妨げようという考えがある、と語った。『ル・モンド』紙は議長が指しているのはイギリスであると伝えている。
ジスカールデスタン議長は、トルコの首都はヨーロッパに位置せず、国民の95%はヨーロッパ大陸に住んでいないと主張し、私はトルコのEU加盟の可能性について曖昧な発言が行われているのを遺憾に思う。欧州理事会の過半数は加盟に反対しているのだが、これをトルコにはっきり言わなかった、と述べた。
欧州委員会のジャン・クリストフ・フィローリ広報官はブリュッセルで、トルコの加盟候補国の地位はEU首脳会議では疑問視されなかった。トルコは昨年の一年間でそれまでの5年間を遥かに上回る進歩を遂げた。もし同国がEUに加盟するならばこれはEUの終焉などを意味するものではない。しかしジスカールデスタン議長には自分の意見を表明する権利はある、と発言した。
トルコはEU加盟候補国であるがいまだ加盟交渉は始まっていない。トルコ政府はEUが交渉開始期日を明言するよう強く主張している。しかし依然続く人権抑圧の現状などを理由に、EUはこの要求を拒絶している。
12月中旬のコペンハーゲンEU首脳会議でEUはトルコに対する今後の対応について決定を下す意向である。10月末にEU各国首脳はブリュッセルにおいて、最近の改革により「トルコとの加盟交渉開始の期日は近づいた」と確認している。
原題:Giscard polemisiert gegen EU-Beitritt der Tuerkei