2004年11月9日(火)16:29

ドイツのEU憲法国民投票は見込み薄

ベルリン(AP)

ドイツ国民にはEU憲法の国民投票の機会は与えられない模様である。社会民主党(SPD)のフランツ・ミュンテフェリング党首は火曜日ベルリンで、キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)のアンゲラ・メルケル党首には直接民主制の拡充をはかる社会民主党と緑の党の提案に応じる用意がないと述べた。メルケル党首はこれを書簡で伝えたという。これにより近々国民投票の規定を設ける可能性も多分なくなったとミュンテフェリング議員団長は語った。

しかしミュンテフェリング党首は、メルケル党首がキリスト教社会同盟(CSU)も代表して述べたかどうかははっきりしないと留保をつけた。というのも、バイエルン州を地盤とするCSUはEU憲法を国民投票にかけるよう繰り返し要求しているからである。ミュンテフェリング党首は、それゆえ私はCSUと自由民主党(FDP)の回答を待つつもりであると述べた上で、もし両党がCDUの決定に反する形で社会民主党と緑の党の提案に同意するならば、計算上は国民投票制定に必要な3分の2に達することになる、と強調した。

メルケル党首は月曜日、議会外で連立政権と協議することは拒否すると述べた。議会で充分協議する余地があるというのがその理由である。しかし社会民主党と緑の党はペースを速めている。「私たちは今年中に決定に至らねばならない」。さもなければ来年中のEU憲法批准というタイムスケジュールは守れなくなってしまう、とミュンテフェリング党首は語った。

ミュンテフェリング党首は、社会民主党と緑の党が国民投票制定法案を連邦議会に提出するか否かについては明言を避けた。重要なのは3分の2の多数を得られる見込みがあるかであり、メルケル党首の書簡によればその可能性はなさそうである、と語った。

市民運動「一層の民主主義」は連立与党に対して、議会での協議をただちに開始するよう要請を行った。メルケル党首の説明によれば、キリスト教民主同盟・社会同盟もその用意はあるからである、とその理由を述べている。

社会民主党と緑の党は、連邦レベルの国民請願と国民投票を認める法案により、EU憲法国民投票への道をひらく意向である。しかしそのためには基本法(=憲法。訳注)の改正が必要となる。憲法改正には野党の承認が不可欠である。国民投票によるEU憲法の批准は少なくとも9ヶ国で予定されている。ドイツは現在の法的状況では連邦議会と連邦参議院に批准の権限がある。

原題:Kaum noch Chance auf Referendum zur EU-Verfassung




トップへ戻る