2005年11月7日(月)15:21
ブリュッセル(AP)
6月のEU首脳会議の決裂後初めてEU各国外相は月曜日に会合を開き、2013年までの中期予算計画を協議した。しかし外交筋によればこのブリュッセルでの外相会議では何ら進展が得られなかったという。議長国イギリスは12月までに合意を導くという決意を依然崩していない。しかしトニー・ブレア首相はこの期限を守れるか否かについて懐疑的な見解を表明した。
「困難な状況であるが、私たちは最善を尽くすつもりだ」とブレア首相はロンドンで語った。ブリュッセルのEU筋によれば、加盟国の大半は次期予算計画の満了する2013年以降にEU予算改革を行うよう求めている。また2009年に予算構造の再検討を行うという合意も形成されつつあるという。しかし歳出の総額と歳入源の問題ではいまだ打開の道筋は見えない。
イギリスのジャック・ストロー外相は、イギリス政府は議論のあるイギリスの拠出金割引について協議する用意があると強調した。「だがこれはEU予算改革の枠組みで行われねばならない」。EU予算におけるイギリスの拠出金割引は予算の「歪んだ性質」に照らして正当なものだ。これは「異常の中の異常」なのだ、と外相は主張した。
イギリスは1984年以来EU拠出金の割引を受けており、その額は現在年間50億ユーロ以上にのぼる。当時はイギリスがほとんどEU農業補助金の恩恵を受けないという理由で割引が認められた。しかしEU歳出における農業支出の割合が低下した現在、他のEU加盟国はこの割引制度の廃止を求めている。
2007年から2013年の中期予算計画については6月のEU首脳会議で打開がはかられたが、とりわけブレア首相の強硬な姿勢により決裂した。ブレア首相は予算計画をグローバル化対策と結びつけ、中でも農業補助金の削減を主張している。しかしフランスはこの要求をきっぱりと拒否している。
10月末にロンドン郊外のハンプトンコートで開かれた非公式首脳会議では、EU各国首脳は12月までに合意を導くことで一致した。さもなければ2007年以降、新規加盟国に対する構造補助金の支出に支障が出る恐れがあるとしている。
EUの歳入問題では、主たる実質支出国のオランダ、スウェーデン、オーストリア、ドイツが拠出金の削減を求めている。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は6月の段階で、EU拠出金を国内総生産の1.06パーセントとする案を承認する姿勢を示した。
しかし外交筋によれば、ドイツのクラウス・シャーリオト外務政務次官はブリュッセルで、これがドイツにとって最大限の譲歩であると述べ、ドイツの抱える数十億ユーロの財政赤字を踏まえ、これ以上の犠牲的負担をドイツに期待しても無駄であると釘を刺した。
欧州委員会は2007年から2013年まで総額で1兆ユーロ以上の歳出を望んでいる。6月の議長国ルクセンブルクの最終妥協案では8700億ユーロの歳出が提案された。ドイツや他の実質負担国は当初8150億ユーロ以上の歳出を受け容れようとしなかった。議長国イギリスは11月21日に開かれるEU外相会合までに新たな妥協案を提案する意向である。
原題:Keine Fortschritte in EU-Haushaltsstreit