2005年11月28日(月)16:25
ロンドン/ブリュッセル(AP)
EU議長国イギリスは欧州連合の中期予算問題で予算の全般的削減を検討している。トニー・ブレア首相の広報官は月曜日、削減した中期予算案を来週提案すると発表した。しかしその予算案は新規加盟10ヶ国にとっても利益になるものでなければならないと強調した。ブリュッセルの欧州委員会もこれを強く求めている。フランスとポーランドはイギリスの発表に対して懐疑的な反応を示した。
「12月に合意を導くことは緊喫の課題であり、その際最も貧しい国が最大の犠牲者になってはならないのは自明のことである」と欧州委員会のヨハネス・ライテンベルガー広報官は強調した。予算問題では2007年から2013年までの財政計画が議論されている。イギリスは予算の改革を求め、潤沢なEU補助金の削減を主張している。しかしフランスはこれをきっぱりと拒否している。
6月のEU首脳会議では、この問題はいわゆるイギリスの分担金割引の問題とともに合意に至らなかった。中期予算問題は12月15日と16日に開かれる次期EU首脳会議の中心議題である。
今年上半期に議長国ルクセンブルクが提案した予算案では、2007年から2013年まで総額8710億ユーロが計上されている。これは全EU加盟国の国内総生産の1.06パーセントに当たる。EU外交筋によれば、議長国イギリスはこれを1.03パーセントに削減することを考えているという。
情報によれば、この予算案では貧しい加盟国を援助する構造改革調整基金の削減が計画されているという。しかしこれにより貧しい国々が悪影響を蒙らないよう、配分額の支給はこれまでより速やかに遅滞なく行われるという。ブレア首相の広報官は、この提案では新規加盟国が最も恩恵を受けると述べた。ブレア首相は今週中にもエストニアとハンガリーを訪問し、新規加盟10ヶ国のうちの7ヶ国の首脳とこの件を協議する意向である。
ポーランドのカジミエシュ・マルチンキエヴィッチュ首相は構造改革基金の削減に反対の意向を表明した。「私たちは、ルクセンブルクの提案した予算総額を維持するよう強く主張する」と首相はバルセロナで開かれたEUと中近東の首脳会議の枠外で述べた。同様にフランスのジャック・シラク大統領も、予算問題の合意を図ろうとするイギリスの努力に対して懐疑的な反応を示した。「イギリスは難しい課題を抱えている」。イギリスの考えはEU内ではむしろ孤立している、と大統領は同じくバルセロナで述べた。
原題:Grossbritannien erwaegt Kuerzungen im EU-Haushalt