2009年11月3日(火)19:49

リスボン条約は発効へ

AFP

EU改革リスボン条約の発効に向けた道が開かれた。チェコのヴァーツラフ・クラウス大統領は数ヶ月に及ぶ逡巡や交渉の末、リスボン条約に署名した。その数時間前、ブルノのチェコ憲法裁判所は条約に対する違憲提訴を却下した。

リスボン条約の発効にはEU加盟全27ヶ国の批准が必要とされ、クラウス大統領の署名のみを残していた。私は憲法裁判所の判断が下りるのを待っていた。この判断には「心底納得行かない」が、私はこれを尊重する。リスボン条約の発効によって、チェコ共和国は主権国家としての存在を終える、とクラウス大統領は語った。

公式の見解では、条約の発効は最後に署名した加盟国がローマに批准文書を供託した翌月の初日になるという。これに従えば12月1日が発効期日となる。クラウス大統領は、憲法裁判所が違憲提訴を退けたならば条約に署名すると語っていた。大統領は先週のブリュッセルEU首脳会議で、第二次大戦後に追放されたズデーテンドイツ人による過去の財産の返還要求から国民を保護するために、チェコに対する例外規定の保証を取り付けている。

憲法裁判所のパヴェル・リチェツキー長官はEU統合懐疑派の上院議員グループの訴えを退け、リスボン条約は「全体として」チェコの憲法に違反するものではないとの判断を下した。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は、チェコの大統領によるリスボン条約の署名を歓迎した。「私はチェコ共和国で今日リスボン条約の批准が完了したことを嬉しく思う」。欧州にとってこの日の意味はとても「評価しつくせるものではない」、とメルケル首相は語った。欧州委員会とEU各国政府も安堵の色を見せた。

リスボン条約はEUにおける多数決決定の拡大や欧州議会の権限強化を定めている。またEU常任議長(大統領)やEU外交上級代表のポストも創設している。

EU議長国を務めるスウェーデンのフレドリク・ラインフェルト首相は、これからEU首脳ポストの人事について協議に入る意向であり、できるだけ早い時期に臨時EU首脳会議を招集する予定である。

原題:EU-Reformvertrag kann in Kraft treten




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