2009年11月3日(火)19:38

イギリス保守党はリスボン条約の国民投票を断念

ロンドン(ドイツ通信社dpa)

イギリスの保守党は、来年政権を奪還した場合の公約として掲げていたリスボン条約批准国民投票の実施を断念する意向である。

リスボン条約の批准をあらためて問う国民投票は「もはや不可能」だ、と保守党の外交専門家ウィリアム・ヘイグ議員は火曜日ロンドンで語った。これより前、EU批判派のヴァーツラフ・クラウス・チェコ大統領はEU加盟国の最後の元首として、リスボン条約の批准文書に署名を行った。

野党保守党のデーヴィッド・キャメロン党首は、来年の議会選挙で勝利した暁には、もしそれまでに条約が発効していなければ、批准を問い直す国民投票を実施すると公約していた。しかしそれまでに全EU加盟国で批准が終わった場合にはどう対応するのかという疑問に対して、キャメロン党首は最近まで一切の発言を拒んでいた。もし国民投票が実施されれば、欧州統合に懐疑的なイギリス国民は確実にリスボン条約を否決すると予測されていた。

ヘイグ議員は、これでリスボン条約がEUの法律となるため、もはや国民投票を実施してもEU常任議長(大統領)職の創設を阻むことはできないと述べた。「もはや事態は決したと見られる。国民投票でこれを元に戻したり、阻止したりすることは不可能だ。」

キャメロン党首は明日水曜日にも保守党の今後の対応を発表するだろうとヘイグ議員は述べた。ヘイグ議員は保守党が国民投票の断念によって公約を破ったとする見方を否定し、公約はリスボン条約が未発効の状況に限られるものであると弁明した。

保守党は現在こそ野党であるが、各種世論調査でも次の議会選挙での勝利が予想されている。選挙は2010年5月までに実施されねばならない。イギリスはゴードン・ブラウン首相率いる労働党政権のもとで、2008年6月にリスボン条約の批准を終えている。

原題:Britische Tories verzichten auf EU-Referendum




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