2000年11月6日(月)17:00
ブリュッセル(ロイター)
欧州委員会はEU改革に関する協議が停滞している状況に鑑み、加盟国に対し、各国の拒否権を将来できる限り制限することを求めた。月曜日非公式の会合を終えて、ブリュッセルの欧州委員会筋は「委員会といくつかの加盟国は多数決決定を他の政治領域に広げることによりEUはさらに大胆な目標設定ができるようになると期待している。この要求は目下EU議長国に就いているフランス政府にも向けられる」と述べた。イギリス政府は欧州委員会の要求をすでに拒否している。国の拒否権を放棄するのはわずかの領域に限ると欧州大臣キース・ヴァズは語った。
欧州委員会筋では、改革協議において租税決定の分野などで拒否権の削除が論議されるならばイギリス政府は「およそ感激しない」であろう。先週末のパリでの非公式会合でも同様であった、と囁かれている。1ヶ月後にニースのEU首脳会議で決定される予定の改革により、EUは新たな加盟国を迎え入れる態勢を整える意向である。改革の協議のテーマは各国の拒否権の制限に加えて、閣僚理事会における票の再配分および将来の欧州委員会の規模である。
欧州委員長ロマーノ・プロ−ディは、加盟国が意欲的な改革に合意できなかった場合EUが政治的に麻痺すると警告した。「すでに15ヶ国の連合体で難しくなっている決定は拡大後の連合体では不可能となろう。」EUは現在東欧と地中海の12ヶ国との間で加盟協議を行っている。
フランス政府は先週末のパリでの会合ではじめて84ページに及ぶ条約草案を提示したが、閣僚理事会の票配分と欧州委員会の規模の問題は除外している。しかし来週中に議長国として票配分に関する最初の提案を発表する予定である。ベルリンのドイツ政府は、閣僚理事会では将来EU諸国間で票を配分する際、これまで以上に各国の人口を配慮するよう強く要求している。
原題:EU-Kommission fordert Einschraenkung des Vetorechts