2000年11月14日(水)15:33
ブリュッセル(ロイター)
ドイツ連邦外相ヨシュカ・フィッシャーは、欧州連合(EU)の拡大計画を遅延せぬよう強い調子で警告した。ベルギーのルイ・ミシェル外相との会合を終えたフィッシャー外相は火曜日ブリュッセルにおいて「人為的な遅延」を行えば「大きな愚行」であり、EUは高い代償を払うはめになると語った。拡大は緊急の政治的必然である。東欧は高い成長率を示している地域であり、「欧州は全体としてそこから利益を得ることができる」と述べた。さらにフィッシャー外相は、加盟候補国との協議を2002年末までに完了できるように計画するという欧州委員会の提案を歓迎する意向を示した。
しかしEUの政治的麻痺を避けるため、欧州統合の深化もEUの拡大と併行して進めねばならない、とフィッシャーは続ける。それゆえ12月のニースでのEU首脳会議で、拡大を可能にしEUの行動能力を強化するような成果を得ることが重要である。私はニースにおいて実現可能な範囲で「とても良い妥協」が得られると考えている。ドイツはたとえば閣僚理事会における多数決決定の大幅な拡大、欧州委員会の行動能力の確保、および個々の国々が他の国より早く欧州統合の道を歩むことを可能にする先行統合の条件緩和を主張している、とフィッシャーは語った。
欧州連合は現在東欧と地中海圏の12ヶ国と加盟に向けた協議を行っている。欧州委員会の発表したタイムスケジュールによれば、加盟候補国が前提条件を満たした場合、加盟協議は2002年の末に終了できる。
さらにフィッシャー外相は、ニース首脳会議後の翌年には欧州統合の深化を一層推進するべく取りかからねばならない。その際EU内の権限分割の問題とEUの基本権憲章に法的拘束力を持たせるかという問題の解決が必要である。2001年の後半には早くも統合の目標と方向に関するステートメントが作成できるだろう。そうなれば2004年にはさらなる改革ラウンドを開始できる、と語った。
原題:Fischer warnt vor Verschleppen der EU-Erweiterung