2000年11月29日(水) 12:22
ロンドン(ロイター)
イギリスのトニー・ブレア首相は、欧州連合(EU)の表決の問題でいくつかのテーマに関しては拒否権を放棄し、多数決決定を認める意向を明らかにした模様である。『ファイナンシャル・タイムズ』紙(水曜版)はブレア首相の言葉として、多数決決定がイギリスの利益にかなう場合や、イギリスが他のEU加盟国からEU拒否権を奪いたいようなケースがあると述べたと伝えている。しかしその一方でブレア首相は、税制と社会保障の問題に関しては拒否権の放棄はありえないと主張した。この報道に関する首相官房の見解は今のところ発表されていない。
同紙はまた、ブレア首相が欧州問題に関する不安煽動の動きに対し対抗措置をとるよう内閣に指示したと伝えている。さらに各閣僚は、イギリスがEU拡大で利益を得る10の理由を文書に作成するよう命じられたという。ブレア首相はまた、イギリスが主導的な立場で決定に加わることは死活問題であると述べた。野党の保守党は、イギリスを欧州超国家の中に引き込むとしてブレア首相を批判している。
12月7日と8日のニース首脳会議ではEU改革が協議される予定である。全会一致の決定原則を維持するのか多数決決定を導入するのかという問題も協議のテーマの一つとなっている。
原題:FT: Blair zu Verzicht auf EU-Veto bei einigen Themen bereit