2000年11月30日(木) 15:36

シラク大統領はEU閣僚理事会のドイツの持ち票を増やすことに反対

リスボン / マドリード(ドイツ通信社)

フランスのジャック・シラク大統領は、懸案の欧州連合改革に関しドイツがEU閣僚理事会でフランス以上の票を持つことに断固反対の姿勢を示した。しかし目下EU議長をつとめる同大統領は、この問題でフランス政府とドイツ政府の間に対立があることを否定した。

リスボンを訪れたシラク大統領は木曜日、「われわれはゲルハルト・シュレーダードイツ首相との間で、この問題を協議し合意を得る必要があるとの認識で一致している」と強調し、1週間後のニース首脳会議ではこのテーマは「障害とならない」であろうと述べた。

シュレーダー首相はドイツ政府がEU閣僚理事会でフランス以上の票を持つべきであると要求したのではない、とシラク大統領は昨晩マドリードにおいてスペインのホセ・マリア・アスナール首相との会見で語った。スペインの新聞報道によれば、ヨーロッパにおけるドイツとフランスの協定関係は平等の条件に基づいており、これはもはや動かし難い、とシラク大統領は述べたという。

大統領はかつてドイツのコンラート・アデナウアー首相とフランスのシャルル・ドゴール大統領が第二次大戦後その端緒を開いた独仏間の和解について言及した。「数え切れない犠牲者と残虐行為をともなう戦争を繰り返した後、両国の政治家は同等の権利に基づいて最終的な和解協定を結んだのだ。」もはや後退はありえない、とシラク大統領は語った。

ドイツ政府は、EU閣僚理事会における票配分を各国の人口に応じて全体的に見直すべきであると主張した。ドイツは再統一以来8200万人の人口を数え、フランスは6000万人である。EU閣僚理事会においてドイツ、フランス、イギリスおよびイタリアはこれまでそれぞれ10票を、スペインは8票を配分されている。

スペインは基本的にドイツにこれまで以上の票を認める姿勢であるという。しかしアスナール首相はスペインをEU内の5つの「大国」の一つとするよう強く要求している。

原題:Chirac gegen mehr Stimmen fuer Deutschland im EU-Rat