2000年11月30日(木) 22:03
ベルリン(ロイター)
ドイツ連邦外相ヨシュカ・フィッシャー(緑の党)は、EU閣僚理事会の票配分を各国の人口に一層配慮して見直すべきであるというドイツの要求をあらためて主張した。「票の再配分は非常に重要である。欧州連合の少数の市民が大きな国々の多数市民に反対する形で決定を行えるような事態が生じてはならないからである。そのようなケースはきわめて非民主的である」とフィッシャー外相は『フランクフルター・ルントシャウ』紙予告版(金曜版)のインタビューにおいて述べた。「これは威信の問題ではない、民主主義の問題なのだ」。ドイツは来週のニース首脳会議の成功を望んでいるが、「すべてを犠牲にして」この問題の解決をはかるつもりはない、と語った。
欧州連合(EU)の各国首脳は12月7日から9日までニースにおいてEU改革を協議する予定である。閣僚理事会の票配分のほかに、多数決決定や欧州委員会の将来の規模、および欧州統合に向けて早く進もうとする国々に先行統合の可能性を開くことが議題となる。目下12の国々と加盟協議を行っているEUは、この機構改革により、拡大の準備を整える意向である。フランスは木曜日あらためて、EU閣僚理事会の議決においてドイツの人口の大きさに一層の配慮を求めたドイツの要求を退けた。ドイツ政府は、この件に関するフランスのジャック・シラク大統領の発言に対し、控えめな反応を示した。シラク大統領は土曜日にゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)を訪問する予定である。ドイツ、フランス、イギリスおよびイタリアは現在それぞれ閣僚理事会において10票を持っている。最小のEU加盟国ルクセンブルクは2票である。
フィッシャー外相は、EU首脳会議において各国首脳がユーロ相場を考慮に入れて決定を下すことを求めた。「各国の首脳はもはや昔のように自由に決定を行えるわけではない。共通通貨の安定をはかる義務を負っているのだ」とフィッシャーは述べ、さらに「ユーロ強化に対する責任が結論を下す決定的な瞬間に一定の役割を果たすことになろう」と付け加えた。もはや国民国家の利益だけが問題ではない。「金融市場は翌朝には会議の結果を評価することになろう。その際市場はただ一つの問題に対する回答に関心があるのだ。すなわち、会議の結果が欧州の行動能力を示すものかその反対かということである」とフィッシャーは語った。
原題:Fischer : Neugewichtigung bei Stimmverhaeltnis in EU-Rat noetig