2007年10月14日(日)08:04

ゲレメク欧州議員はポーランド政府が反EU姿勢を宣伝に利用していると非難


「強い政府との印象を与えたいのだ」

ブリュッセル(AP)

木曜日と金曜日に開かれるEU首脳会議を前に、ポーランドと他のEU加盟国との間に新たな対立が浮かび上がってきた。ポーランド政府はEU改革条約の修正を求めているが、他のどの国もこれを支持していない。首脳会議直後に議会選挙を控えている保守系の連立政権は、単独行動をとることによって強さをアピールしたいのだ、と野党系のブロニスラフ・ゲレメク欧州議員はAP通信とのインタビューで述べた。

AP:ゲレメクさん、リスボンのEU首脳会議では長らく計画されていた改革条約が可決されることになります。成功するとお考えですか?

ゲレメク:私は欧州連合が新たな条約を可決すると考えて良いと思います。この条約は必要です。しかし頓挫したEU憲法と較べると弱い条約です。また、イギリスもポーランドもEU基本権憲章の適用を自国の法体系内に制限しようとしていることから、祝賀気分にも水が注されます。

AP:あなたはポーランドの野党に所属しています。しかしひょっとしたら、なぜ政府がこの例外規定を求めているか、その理由が分かりますか?

ゲレメク:それは説明がつきません。イギリスの場合は社会政策の立法に対する影響を阻止したいという理由があります。しかしこれはポーランドには当てはまりません。どうも前面にあるのはポーランドが家庭政策で独自の道を歩みたいということのようです。たとえば中絶権などの問題です。しかしこうした問題は実際のところ基本権憲章とは無関係です。これらの問題は改革条約が成立した後でも加盟国の管轄にとどまります。つまりポーランド政府の見解はいささか不明確です。

AP:他にも修正希望が出てくるとお考えですか?

ゲレメク:ポーランド政府はEUの決定手続きに関する修正要求を出しました。先のEU首脳会議で認めさせた妥協、すなわちいわゆるイオアニナ条項を、自己主張する政治の成果としてポーランド国民に宣伝しました。それゆえポーランド政府は、これまでは条約の宣言における言及に留めていたイオアニナ条項を文言化し、新たなEU法の一部にしたいと考えているのです。しかし欧州議会はこれに対し、決して認められないときっぱりと拒否しました。そこで問題が持ち上がったのです。しかしポーランド大統領のパリ訪問での発言は歩み寄りの姿勢を示しているようです。

AP:ポーランドの一般国民はこの争いをどう見ているのですか?

ゲレメク:選挙戦ではEUは大きなテーマにはなっていません。テーマになるとすれば、むしろバルト海の漁獲量割当の問題です。この問題ではポーランド政府と欧州委員会の対立があり、政府は袋小路に陥ったように見えます。しかしEU改革条約は大きな関心を呼んではいません。

AP:それではこれまでのポーランド国民の親EU的姿勢が変わることはないとお考えですね?

ゲレメク:私は変わらないものと考えていますし、選挙の結果むしろ親EU的な政権が誕生すると思います。EUに対する支持はポーランドでは他のどの国よりも高いのです。これはまさにポーランドの逆説的な状況と言えます。政治家が国民よりもずっとEUに懐疑的という唯一の国でしょう。

AP:しかしポーランド政府は改革条約に対する要求で何を期待しているのでしょうか?

ゲレメク:ポーランド政府は要求を押し通す強さと実行力をアピールしたいのです。政府は前の政権がEUに対して従属的すぎたと主張しています。しかし本当のところは、現政府の政策はポーランドに対して何の成果ももたらしていないのです。

(インタビューはバルバラ・シェーダー)

原題:Geremek wirft Warschau Profilierung zu Lasten Europas vor




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