2007年10月17日(水)16:58
ブリュッセル/ベルリン(AP)
包括的なEU改革は6年間の綱引きの末、ついに手に届くところまで近づいた。加盟国のそれぞれが、目前に控えたEU首脳会議の最後の懸案の解決に向けて大きな関心を表明した、と水曜日ドイツ政府筋はベルリンで伝えた。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はEU加盟国に対し、自国の利害ばかりに目を向けず、改革を成功裡に導くよう呼び掛けた。
「明日はEUが前進することを証明する良い機会だ」とバローゾ委員長は木曜日と金曜日にリスボンで開かれるEU首脳会議を踏まえて語った。すでに2004年秋の段階でEU憲法に関する合意は成立したが、その後のフランスとオランダの国民投票による否決で憲法は頓挫した。現在の改革条約案はその仕切り直しであり、加盟国が27ヶ国以上に増えてもEUの行動力を確保するためのものである。
ドイツ政府筋によれば、初日木曜日の首脳晩餐会で合意が得られる可能性もあるという。前向きな決定ならば、改革条約のロードマップも予定どおりとなる。すなわち、およそ2ヶ月間法律上の審査を行い、12月に調印の運びとなる。新条約は引き続き批准手続きに入り、2009年までに発効可能という。
消息筋によれば、意見が分かれている唯一未解決の問題が、ポーランドが求めるEUの表決手続きに関する特別規定の文言化である。ポーランドはいわゆるイオアニナ条項を簡単な宣言文の形ではなく、改革条約に明記するよう求めている。しかし「ポーランド政府は断固成立を目指している」印象がある。他の問題はすべて解決済みである、と消息筋は伝えた。
一方、バローゾ委員長は、重要なポストの任命手続きを明確にするよう求めた欧州議会の要求を支持した。欧州議会は改革条約の発効後にEU加盟国政府が内々で重要な新ポストの任命を行なうのを阻止したい意向である。該当するのは、改革条約で重要性が高まった外交安全政策上級代表、ならびに新ポストである常任のEU議長(EU大統領)である。
EU各国政府の決定機関である欧州理事会の見解では、予定どおり改革条約が2009年1月1日に発効した場合は、この二つのポストは即日任命されることになるという。これにより、2009年の欧州議会の半年前にも既成事実が生まれることになる。しかしキリスト教民主同盟(CDU)のエルマー・ブローク欧州議員は、この重要なポストの任命は欧州議会の多数派の意見に配慮しなくてはならないと主張した。
欧州委員会にとっても人事問題は大きな意味を持つ。というのも、外交安全上級代表は欧州委員会の副委員長を兼任することになるからである。
バローゾ委員長は、とりわけイタリアが大きな影響を受ける欧州議会の将来の議席配分に関する論争について、解決の見込みを表明した。委員長は「私は、常に欧州統合に尽力してきたイタリアのような国が改革条約を阻止するなどとは考えていない」と述べた。委員長は2009年に785議席から750議席に縮小される欧州議会の議席配分について、首脳会議では必ずしもその詳細まで決める必要はないことを指摘した。
原題:Einigung ueber EU-Reform in greifbarer Naehe